2017.05.09

継承すべき日本職人の技

RADWIMPS「Human Bloom ネックレス」「Human Bloom ピアス」職人インタビュー

アニメーション映画『君の名は。』の音楽全般に携わり、これまで以上に幅広い層にその存在を知らしめた、ロックバンドRADWIMPS(以下 : RAD)。その全国ツアー『Human Bloom Tour 2017』が各所大盛況のなか間もなく千秋楽を迎える。今回も様々なツアーグッズが作られ、中でも「Human Bloom ネックレス」と「Human Bloom ピアス」の登場は目を惹くものがあった。
RADらしいこだわりのある逸品に仕上がっているこれらのグッズ。それを具現化できたのも職人たちの手による緻密な技術があってのこと。音楽のみならず、良質なモノを届けようとするRADの精神が日本職人を動かしたと言っても過言ではない。
今回はそんな「ネックレス」と「ピアス」の職人たちに、LUCKAND公認リポーター『ケイシ』に、それぞれの想いについて訊いてきてもらった。

コンニチハ、ケイシです。今回はRADのグッズレポートで、国内にあるプレス工場、ろう付け工場を取材してきました! 実際にインタビューをしていくと、職人たちの高度な技術の裏側に、国内工場が抱える厳しい現状や苦悩が見えてきました。


『Human Bloom ネックレス』金属プレス場


はじめは『Human Bloom ネックレス』を手掛けたプレス工場です。
こちらはクオリティーの高い金属加工を続けている工場で、アパレル業界でもハイブランドの厳しい基準を満たす部品が作れる、国内でも数少ない技術を持っています。

ネックレス本体部分のおおまかな製造工程は[断裁][プレス][抜き][穴あけ][メッキ]という加工があります。言葉にするのは簡単ですが、実はひとつひとつに職人の技が込められているんです。
まずは金属板の[断裁]から。大きな金属板をテンポ良く適性の形に断裁していきます。


プレスで最も重要な「金型」。「Human Bloom」のロゴが彫られているのが見えます!
裁断した金属板をこの金型に乗せて、[プレス]していくようです。


プレスを行う際には、「ボルスター」と呼ばれる大きな機械が使用されます。こちらにはこのボルスターが何台もあり、フル稼働しています。円柱の金型をしっかりとセットします。



セットし終えたら、プレス開始!硬くて平らな金属板に『Human Bloom RADWIMPS 2017』の文字と、ネックレスのガイドラインが一瞬にして刻印されていきます。


ボルスターの圧力は数トン。集中力や細心の注意が必要な工程です。厚い金属をプレスするときは、さらに大きなボルスターを使用するとのことです。





刻印が出来上がったら続いては[抜き]。あっという間のスピードと正確さで、次々とカタチ通りにカットされていきます。


抜いて余った端材は再度溶かして、次の製造に時に再利用します。




最後に[穴あけ]をして、プレス工場での加工は終了。まるで曲芸を見ているかのようなスピード…。寸分狂わず、すべて同じカタチ通りにつくるのは、熟練した技術と経験が必要なんです。





さて、お気づきの方もいると思いますが、実際に販売されていた『Human Bloom ネックレス』はアンティークなシルバーです。素材の真鍮(しんちゅう)は元々金色で、仕上げに別工場で「銀古美」というメッキ(塗装)をかけます。

左 銀古美メッキ前 / 右 銀古美メッキ後



最後にチェーンを通し、パッケージに入れて完成!





それでは、こちらの工場の代表である鈴木さんにインタビューしていきたいと思います!


<NEXT 2/4>「良質な国産品のあり方を広げていくには、若い力は重要」(金属加工工場2代目代表・鈴木氏)

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