2018.07.20

江口寿史 イラストレーション展『step』

江口寿史(漫画家、イラストレーター)

広告や雑誌・書籍のカバー、CDジャケット、映像作品のキャラクターデザイン等々…様々な活動をしている江口寿史によるイラストレーション展『step』が、7月22日まで銀座 画廊 「スパンアートギャラリー」にて開催されている。多才な彼のイラストレーションの中でも、「美女」に特化させたとも言えるこの展示会の模様をお伝えする。

江口寿史 イラストレーション展『step』
■日時:2018年 6月30日(土)~ 7月22日(日)
[前期] 6月30日(土)~7月10日(火)
[後期] 7月13日(金)~7月22日(日)
■場所:銀座 画廊 スパンアートギャラリー

銀座の中心地の道沿いから一際大きな瞳でこちらを見てくる美女がいる。音楽好きなら誰もが一度は出会った事のあるであろうこの美女は、言わずと知れた、ロックバンド・銀杏BOYZのアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』のジャケットにも登場した金髪の美女である。銀杏BOYZからこの美女を知った方も多いかと思うが、『週刊少年ジャンプ』掲載時からこの美女を知っている方は美女とは呼ばないのかもしれない……。

当展示会は、新作の複製画28点も含む、江口氏がある種こだわり続けてきたと言える「美女」のイラストレーションが、タイプ様々に多数展示されたもの。前期と後期で展示物の入れ替えが行われ、2回に渡り、江口氏の異なる作品の数々を楽しむことができた。入り口付近から奥まで展示されている複製原画はレコードジャケットを彷彿とさせるサイズ感にて、銀杏BOYZ、Shiggy Jr.、lyrical school、岡村靖幸等のCDジャケットに使用された作品等が、入り口から迎えてくれた。

当展示会の見どころの一つは、手描きのラフ画、着彩前のペン入れの状態の原画を壁一面に展示されているところであった。中でも氣志團×ももいろクローバーZの原画や、NegiccoのTシャツに使用された原画たちには目を惹くものがあった。個人的には密かにファンであった、『古代少女ドグ』ちゃんの原画を発見した際にはテンションが上がった。江口氏のコメントにも書かれていたが、ラフ→ペン入れ→着彩に至る一連の流れでそのままハマるものもあれば、線などの調整を行った後に仕上がるものもあったという。アーティストの中でも一連の流れをここまで公開するのは、なかなか粋な計らいにも感じられた。

会場にはもう一つ、粋な演出がなされていた。場内には、vol.1-vol.6まで約100曲以上もの曲を江口氏自身がセレクトしたBGMが流れており、YMO、サニーデイ・サービス、TOWA TEI等が流れる中、江口氏が作業している様を思い浮かべることが出来た。

「作品は来場してくれる人に向けてのみ公開したい」が前提にあったようで、残念ながら、この記事にそれらの写真を掲載することは出来ないが、会場で出会った美人たちを持ち帰られるようにと(笑)、美少女の各種のグッズやTシャツが数多く販売されており、そこも賑わいを見せていた。
展示は7月22日(日)まで開催される。是非あなたもたくさんの美女たちに会いにいってみては如何だろうか。

TEXT:LUCKAND
PHOTO:銀座 画廊 スパンアートギャラリー

<展示情報>

江口寿史 イラストレーション展『step』
■日時:2018年 6月30日(土)~ 7月22日(日)
[前期] 6月30日(土)~7月10日(火)
[後期] 7月13日(金)~7月22日(日)
■場所:銀座 画廊 スパンアートギャラリー
■11:00~19:00
■入場無料
http://www.span-art.co.jp/exhibition/201806eguchihisashi.html

江口寿史(えぐち・ひさし)

1956年生まれ、熊本県水俣市出身。1977年、『週刊少年ジャンプ』に「恐るべき子どもたち」でデビュー。「すすめ!!パイレーツ」「ストップ!!ひばりくん!」などギャグマンガで大ヒットを飛ばす一方、広告や雑誌・書籍のカバー、CDジャケット、映像作品のキャラクターデザインなど…マンガの枠をこえて、様々な媒体で活動している。

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