2018.06.22
Lasp舞台写真株式会社写真展「~Love as Photo~」
Lasp舞台写真株式会社
芸術性に重きを置き、一瞬を捉え、提示しながらも、それらが有していた「在りし日のその場」へと思いを馳せさせる写真が魅力のLasp舞台写真株式会社。「芸術性の高い舞台写真撮影」を標榜している同社による写真展「~Love as Photo~」が先日、開催された。
Lasp舞台写真株式会社写真展「~Love as Photo~」
■日時:2018年5月23日(水) ~ 5月27日(日)
■場所:ピクトリコショップ&ギャラリー表参道
「芸術性の高い舞台写真撮影」を標榜しているLasp舞台写真株式会社(以下 : Lasp)。同社代表である写真家・伊藤厚子氏と、日本舞台写真家協会会員でもある写真家・伊藤竜太氏による芸術性に重きを置いたその写真類は、どれもアクティヴィティ。一瞬を捉え提示しながらも、それらが有していた「在りし日のその場」へと思いを馳せさせるものばかりだ。
そんな同社が、写真展「~Love as Photo~」を5月23日(水) ~ 5月27日(日)に、ピクトリコショップ&ギャラリー表参道で行った。同社の稼働報告の意味合いも含まれたこの写真展は、今春創刊した「写真で楽しむ舞台芸術の世界」を謳う、Web『Lasp舞台写真マガジン』にて取り上げられている、Laspが本業とするところの舞台写真を基軸としたもの。演劇、ロック、オペラ、クラシック演奏会等の舞台写真類を主に、ディテールのふくよかさや、使い込まれた逸品だからこその輝きを擁した艶をも鮮明に写しとった楽器類や、躍動的な演奏場面を始め、クライマックスやハイライトシーンをより写真を通しドラマティックに伝達すべく写し出されていた。
また、同社が拠を構える葛飾・柴又の風景の一部を捉えた、相撲部屋「東関部屋」稽古風景等の臨場感あふれる写真も多数展示。それらからは、写真から滲み出ている風情や情緒、郷愁までをも感じ取ることが出来た。
そんな中、最も私の目を惹いたのは、「柴又メタリカ」と題された、原風景を加工し、非日常的な光景へと誘うかのような写真群であった。柴又に散在している光景を伊藤厚子の視点とファインダーを通し、撮影、事後、加工を加えることで、その完成被写体から様々な想いを馳せさせるに至った同作品群。
「2018年2月13日、葛飾柴又が国の重要文化的景観に選定されました。国宝である柴又の風景を近未来的な空間領域に描きました。反転することで世界が変わる。物の見方が変わり次元を超える。あらゆる電波を受信しメッセージ性のある鉄塔や鉄橋・帝釈天の空や鳥、弁財天を祀る風景の樹などをドラマティックにカラーネガ加工し、パール調の紙にプリントをすることでより芯の強いメタリック感を感じてください」(伊藤厚子)
それらは例えば、単なる風景の中の送電線の鉄塔を近未来を彷彿とさせるメタリックな「何物」かへと変貌させ、また、抒情的な遠風景に際しても、まるでアルマゲドン寸前の最後の原風景を想像させるような極めて非日常性の高い写真を掲示してくるようであり、同じ撮影者ながらリアリティや生命力を感じさせた他の作品群との対比や対称性も興味深かった。
今後も風景をありのまま伝える面、日常を非日常へと誘う作品性の高い面、また主体とも言える、芸術性の高い舞台写真を撮り、贈り出し続けていく面と多面に渡っての活躍に期待も高まるLasp舞台写真株式会社。今後も同社の動向からは目を離せそうにない。
TEXT:LUCKAND
PHOTO:
<伊藤厚子 Atsuko Ito>
Lasp舞台写真株式会社 代表取締役社長
12歳から天体の写真を撮り始め、以来、独学で写真を学ぶ。2017年、柴又に移住。
神から与えられたメッセージをphotographするアーティスト。
これまでの写真展:「柴又セピア」(2017年5月) 昭和レトロ喫茶セピア、「柴又メルシー」(2017年11月) ピクトリコギャラリー表参道、「柴又メタリカ」(2018年2月) 昭和レトロ喫茶セピア、page2018 アライアンスNEXT に大塚商会とのコラボ作品を出品(2018年2月) サンシャイン・コンベンションセンター
<伊藤竜太 Lyuta Ito>
Lasp舞台写真株式会社 取締役 フォトグラファー。
1967年北鎌倉生れ。造形作家伊藤隆康の長男。柴又在住。音楽家を志してのオランダ留学中に写真に転向し、Piet Janmaatのアシスタントを務めた後に帰国。その後、New York Institue of Photography プロ養成コース通信課程修了、東京綜合写真専門学校研究科にて芸術写真の研鑽を積む。
過去にはかまやつひろし、頭脳警察、友川カズキ、忌野清志郎などのアーティストを撮影。 近年は東京二期会オペラ、藤原歌劇団、藤井一興、フジコ・ヘミング、などクラシック界を中心に、また「首振りDolls」「ビレッジマンズストア」などロックバンド、さらにはJotaro Saito、YOSHIKIMONO等のファッションショーなど幅広く舞台撮影を手掛ける。
これまでの写真展: 「柴又セピア」(2017年5月) 昭和レトロ喫茶セピア、「柴又NUDE」(2017年8月) Space Jing、「pupeé et homme」(2017年10月)、「柴又street」(2017年12月) 昭和レトロ喫茶セピア
■Lasp舞台写真株式会社公式HP
http://lasp.co.jp/
■Lasp舞台写真マガジン「写真で楽しむ舞台芸術の世界」
http://lasp.co.jp/magazine/
■Lasp舞台写真株式会社公式Twitter
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