2017.08.02

MV女優の信念と挑戦

アリスムカイデ(モデル・surreARISブランドディレクター)

これまで様々なアーティストのミュージックビデオにも出演してきた、モデルのアリスムカイデ。自ら「MV女優」という実際にはない職種をあえて肩書きにし、独自のスタイルで活動を広げてきた彼女。そのセルフプロデュース力の高さは、すでにファッション・カルチャー界隈では折り紙付きだ。
そんな彼女がブランドディレクターを務める女性向けのブランド『surre ARIS(シュルレアリス) 』が立ち上がった。通常のアパレルラインとともに彼女にとって思い入れの深い音楽に関連したアイテム展開を図る、同ブランド。その第一弾として、Tシャツ2種3カラーとマフラータオル、トートバックやシリコンバンドがリリースされる。どれもが白と黒によるモノトーンを基調に、彼女を象徴するウサギをモチーフに配されているのも興味深い。
そんなアリスに今回のブランド立ち上げの経緯や意義、そこへの想いや自身のファッション観を訊いた。

「今の自分は変えたいと常に思う。素の自分を出していく」

━アリスさん自身は、今後どう変化していこうと考えていますか。

アリス

今までは自分の特異性を打ち出したり、より多くの人の人生に寄り添えるようあえて自分を少し暗めなというか、クールとかミステリアスなイメージに見せていました。いわゆる笑顔を出さないようにしていた、とか。それが原因で逆に作った自分に引っ張られそうになったんです。そんな自分を変えたいと常々思っていて。そのタイミングが今年のスタートで、今ではすっかり笑顔も解禁状態です。これからは高校生の頃に立ち戻って、その辺りを出して行こうと。これからは素の自分で行きますから!それでも元のイメージが残って、愛されてこそ本物だと思っています。

━まさに、その特異性のイメージが浸透していると思いますが、素は異なると。

アリス

基本的には馬鹿みたいに明るい性格なんです。実は思春期の時につき合った方が若干暗い部分も持つ人で、その人の心情が当時の自分では全く理解出来なかった瞬間があったんです。そういう経験から、人の心を理解できる人間、そのうえで背中を押せる人間になりたいと思いました。明るいだけじゃなく、暗い自分を引き出すのも大切なんだなって。そうやって自分自身も成長していって、将来的には(未来の)旦那さんを世界一幸せにしたいです(笑)

━最後に、今後、自身で洋服をプロデュースしたり、ブランドを持ちたい人にアドバイスをお願いします。

アリス

私の場合、芸能事務所を辞めてフリーのモデルになった際に、今のアリスムカイデに変えたんです。その頃は毎日のように、服のテイストを変えて街に出てどの洋服が一番スナップを撮られるか、そして、それが反応してもらえるか、どれが自分に似合っていて求められているのかを分析していました。そこから今のスタイルにいきついたところもあって。なので、「これが好き」と決めつけて、そこに自分を無理矢理合わせるよりも、自分に一番合っているものを見つけ、それを大切にした方がうまくいくこともあるんじゃないかと。もちろん好きな事を突き詰めていくことも大事ですが、何が自分に求められているのか、それを考え対応するのも大切なことだと私は思います。新しい自分を作り上げても壊れてしまわぬよう、プライベートでこそ素の姿で愛される自分でいたいですね。

INTERVIEW & TEXT:LUCKAND
PHOTO:垂水佳菜

アリスムカイデ

17才で札幌コレクションにてモデルデビュー。 高校卒業と共に何のアテもなく上京。
事務所に所属しドラマ、映画を主とした芸能活動を開始するがモデルとしての活動がしたかったためフリーに転身、再始動。 独自のキャラクター性とスタイルを自らプロデュースして売り込み、現在では日本のファッションからカルチャー系のモデルとしてショーやスチールはもちろん、自身の音楽愛が届き20本を超えるミュージックビデオへの出演、DJ、MCと更なる活躍の場を広げている。ニューエイジ・ヒロイン。

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surreARIS

「モードとファンタジーとロックミュージック」がテーマのファッションブランド「surreARIS(シュルレアリス)」が7月28日にオープンする。
モデルのアリスムカイデがディレクターを務め、通常のアパレルラインとフェスなど音楽の場も楽しめるライブラインを提案。
〈「自信のない部分が隠せないから、似合わないから着れない」じゃなくて「見せても歩けるように、似合うようになって着たい」と思える、そうやって毎日とその先を変えていく一歩になれるブランドをつくっていきたいです。〉と語るアリスムカイデ本人が描いたウサギをロゴに起用し、初のルック撮影では「トーキョーアリスフェアリーテール」をテーマに都会に映える違和感や暗闇でも輝く強さを投影した。

http://www.surrearis.tokyo
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