2018.08.21

EMBLEM

Sano ibuki

Art direction & Designed:Kiho Ito  http://hokitoi.tumblr.com/
Illustration:Kozue Himi http://www.himikozue.com/

紋章を真ん中に、まさにバイブルを彷彿とさせるアートワークを含めたジャケット仕様。妙なリアル感と使い込まれた感が上手く出されており、今後、この作品を何度も繰り返し聴いてもらいたい意図と、ヴィンテージ感を醸し出している。
ブックレット内の歌詞カードのレイアウトにも凝っており、同じくいい具合に使い込まれた紙質は、あえて色シミや焼けや褪せを施してあり、文字組も曲の雰囲気に沿って、縦組み、横組がページ毎に異なってなされており、それぞれの歌が織りなす歌物語を更に移入する助力を感じた。

盤面には、月を施した印刷が載っており、それを外すとバックインレイには銀河が広がっており、遠近感やトレーという手法を上手く活かした無限の宇宙の中、ポツンと月が浮かんでいるような意図を感じさせ、同時に、「moonlight」なる楽曲も収まっている為、そことのリンク性も感じた。かなり作品内容に寄り沿ったアートワークやアイデアだ。
ブックレット制作クレジットのアートディレクションの怡土希帆、イラストレーションの氷見こずえは、sano ibukiの音楽に触れ、好きになり、今回のタッグの実現に至った。

ちなみに、彼のインスタによると、散りばめられている1996は「sano ibuki」の生まれ年。「自己紹介のような気分でどうかな?」と自己提案したと言う。品番のSANO-2815は、産まれた時の彼の体重とのことだ。また目次の英語にも意味を持たせており、気になった人は辞書を片手に和訳して欲しいと綴っていた。他にも色々と仕掛けや謎が散りばめられており、それを探し、解いたり、推測/憶測していくのも面白いかもしれない。

今年に入り名前を聞くようになり、某CDチェーンのみで販売された作品を聴き、その存在が気になっていたシンガーソングライターSano ibuki。そんな彼の全容が、ようやく明らかになるような初の全国流通作品が発売された。

近年、新鋭若手ロックバンドのプロデュースでの手腕著しい江口亮がプロデュースした飛び出し、駆け抜けていくような彼の現状が現われたかのような「sentimental」を始め、対照的とも言えるTomi Yo(トオミ ヨウ)がプロデュースを手掛ける、歌のデリケートや奥深さが引き出された北欧的ポストロックなアプローチの上、抽象的な歌声も印象多的な「moonlight」との対象さと幅が惜しみなく収まった今作。他にも、美しささえ感じる弦楽アレンジの上、ソウルフルに歌を優雅に広がらせている「魔法」、ギター1本で想いを伝えた「シオン」、エモーショナルなギターロック然とした「スイマー」等々、タイトルに「紋章」と付けたが故の彼のアイデンティティと、音楽性やセンスの幅、サウンドアプローチが、あえて幅や間口の広さとしてオープンにしているかのようなバラエティに富んだ全7曲として記されている。
これからの活躍を多分に期待、想起させる1枚だ。

Sano ibuki「スイマー」

Director / Cinematographer / Editor : Kyotaro Hayashi [DRAWING AND MANUAL]

まさに彼のここからの決意や覚悟がこの映像にほとばしるかのように伝わってくるMVだ。
歌詞にも出てくる♪蒼く水色に染まった世界で♪を基調に、夜明け前の不安から朝日への希望に移っていくかのような、星空から明け方を連れ出してくれるような、深海から海上を目指して浮上していくかのような映像が、楽曲の秘めたエモーショナルさとリンクする。彼の前途を彷彿とさせるような1本だ。

TEXT : LUCKAND編集部

Sano ibuki OFFICIAL SITE

http://www.sanoibuki.com/

FIRST MINI ALBUM

『EMBLEM』

SANO-2815
¥2,000(+tax)
購入はこちら

2018年7月4日(水)RELEASE

[CD]
1.sentimental
2.moonlight
3.魔法
4.シオン
5.スイマー
6.finlay
7.春霞

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