2018.02.02

Kodomo Rengou

People In The Box

Art direction&Design : Yoshinori Okada(FIRSTORDER)
Illustration : Noriko Futamura(FIRSTORDER)
Photography : Léon

音楽・スポーツ・ファッション系のアートディレクターであり、BARFOUT!やOCEANSなどで連載を持つ生粋のクリエイター、岡田考功。これまでPeople In The Box(以下:People)の全CD・DVDジャケットを手掛けてきた岡田がコンセプトに置くのは、本や写真のように「何枚並んでもきれい」ということ。全タイトル、バンド名やタイトルの配置、写真のマージンを統一させていることで生まれる「美」は本当に美しくうっとりしてしまう。勿論『Kodomo Rengou』も然り。写真は『Frog Queen』からタッグを組んでいる写真家Léonによるもの。表1、窓の格子から漏れる淡い光が黒色の持つ高圧的な要素を排除。背表紙の裏側に描かれたフラッグや中面に散りばめられた手描きのイラストは、写真のアンニュイさと構図のクールさのフックになっている。有機的でありながらどこか無機質さも感じさせるデザインは、あっという間にPeople In The Boxの音とリンクする。

「ラララララ」波多野裕文(Vo,G)の歌う生声はそのままリズミカルにM1「報いの一日」へ吸い込まれる。約3年半ぶりにリリースしたフルアルバム『Kodomo Rengou』を初めて耳にした時、改めてPeopleの面白さを感じた。巨大なショッピングモールや中古車センター、町役場……住む町の風景を歌詞にした「町A」には波多野のセンスがシュールに表れている。ゴリゴリと響かせる「無限会社」での福井健太(Ba)の低音や、山口大吾(Dr)のポリリズムが絶妙な「世界陸上」。温かみのあるストレートな「かみさま」も忘れてはいけない。ポストロックの要素を感じさせながら、チルアウトやミニマル・ミュージック、時にはニューウェーブや民族音楽の要素まで散りばめている。だが決して散乱せずPeopleの音として昇華させ、唯一無二な存在感を打ち出している。それは他者とは違うことへ対する一種のブランド的自己陶酔とも全く違う独自性なのだ。このアルバムを聴けば、Peopleが自分たちの音楽に対し自然体であることが分かるはず。

 

People In The Box「かみさま」Music Video

https://youtu.be/n_mYKIaSYFA

Camera : 波多野裕文

アニメーションを用いた「ニムロッド」や「旧市街」のように、 PeopleのMVはそれまでクリエイティビティに富んだものが多かった。だからこそ「かみさま」のMVには新鮮な驚きを覚える。例えるなら結成1年目バンドのMV。そう、まるで10年のキャリアをリセットし新たな息吹を吹き込むように、ヤツデや水鏡に映る太陽、木々たちは風に揺らめき瑞々しく輝く。兎に角全てが美しい。

TEXT : 秋山 昌未

People In The Box

http://peopleinthebox.com/

New Album

『Kodomo Rengou』

CRCP-40540
¥2,700(tax in)
購入はこちら

01.報いの一日
02.無限会社
03.町A
04.世界陸上
05.デヴィルズ & モンキーズ
06.動物になりたい
07.泥棒
08.眼球都市
09.あのひとのいうことには
10.夜戦
11.かみさま
12.ぼくは正気

2018年1月24日(水) Release

LIVE

「Kodomo Rengou」 release tour

6月08(金) 横浜 F.A.D YOKOHAMA
6月09(土) 静岡 UMBER
6月15(金) 四日市 CLUB CHAOS
6月16(土) 神戸 VARIT.
6月17(日) 岡山 CRAZYMAMA 2nd Room
6月21(木) 札幌 COLONY
6月23(土) 盛岡 the five morioka
6月24(日) 仙台 MACANA
6月29(金) 広島 CAVE-BE
6月30(土) 福岡 DRUM SON
7月01(日) 熊本 B.9 V2
7月06(金) 高松 TOONICE
7月07(土) 京都 磔磔
7月08(日) 名古屋 CLUB QUATTRO
7月11(水) 渋谷 TSUTAYA O-EAST
7月14(土) 梅田 CLUB QUATTRO

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