「当時はiPadで作品を描いている人が少なく珍しがられたので、自分は続けてみよう、と思った」

−イラストレーター、漫画家を目指すきっかけは？

ますだみく（以下、ますだ）

両親がイラストレーターやデザイナーだった影響で、幼い頃から絵を描くことが好きでした。漫画や小説がたくさんある環境で育ったこともあり、漫画家になりたいと密かに思うようになっていました。しかし両親は絵を描くことをあまりよく思っておらず、中学時代までは描いた絵がみつかってよく怒られていました。絵を描くのが駄目ならお話だけでも、と携帯小説を書き公募に出したりもしていましたが、次第にそこからは離れていきました。

−ご両親はなぜ絵を描くことをよく思ってなかったのでしょうか？

ますだ

やっぱり不安定な職種だからだと思います。ただ、今は私のやっていることを一番理解してくれていて、協力もしてくれています。

−自身がそういう仕事をやっていたからこそ、余計に心配するのでしょうね。

ますだ

そうですね。それでその後、高校時代にバンドにハマったこともあり、Music Videoに興味が出て、映像専攻がある大学へと進学しました。たまに地元バンドのグッズやイベントフライヤーの制作を手伝っていて、ある日、それをゼミの教授に見せたところ、「絵を描くことを諦めない方がいい、一日一枚作品を作り投稿しなさい」と課題を出されました。私の所属していたゼミは少し変わっていて、一人一人に合う課題が出されていて。ポートフォリオ代わりとしてInstagramに作品を投稿していたところ、少しずつお仕事をいただけるようになりました。

−おもしろい課題ですね。でも絵は関係ないゼミだったんですよね？イラストはどこかで学んでいたのですか？

ますだ

ゼミは映像関係だったので、絵は関係なかったです。中学２年まで通っていた中学校が、美術を本格的に教える学校だったので、多少はそこで基礎を学びました。デッサンや粘土で、腕を創ったりして筋肉の付き方などを学んだり。あとは、ほぼ独学です。

−いい先生ですね。

ますだ

そうですね。学生のいいところを伸ばそうとしてくれる、いい先生です。最初はイラストのアニメーションを投稿するなど多少関係性のあることもやっていたりもしました。

−イラストは何を使って描いていますか？

ますだ

小学生のころは”THE”少女漫画、という感じの絵を鉛筆で描くだけでした。高校時代はボールペンなどで工場を細かく描いたり、肖像画を描いたりしていましたね。今とは全然違う感じです。デジタルになったのは、大学に進学してガラケーからスマホに代えた時に、おまけで「iPad mini」がもらえたのがきっかけです。これなら紙を使わなくても絵が描けるから親にばれずに済むと思い、指で絵を描いていました（笑）。　今はiPad ProとApple Pencilを使っています。

−そこからもiPadで描き続ける理由はあるんですか？

ますだ

入りがiPadからだったので、慣れですね。あと私が機械オンチというところもあって（笑）。学校でペンタブレットを使ったこともあるのですが、ディスプレイを見ながら手元のペンタブを操作する、というのが苦手で。iPadが自分のスタイルに合っているんだと思います。あと、それこそ4年前とかの当時はiPadで作品を描いている人が少なかったんです。珍しがられたので、だったら自分は続けてみよう、と思ったのもひとつの要因かもしれません。それでお仕事を頂けたりもしましたし。

−メリットはなんでしょう？

ますだ

「どこでも描ける」ということですね。道具と場所を取らないため授業の空きコマの時間や移動中などに描いています。

−逆にデメリットはありますか？

ますだ

拡大縮小を何度も繰り返してしまうため、アナログよりは身体的な疲れが出やすいと思います。

−アプリは何を使っていますか？

ますだ

当初は本格的に絵を描くアプリが出ておらず、無料のお絵描きアプリ「ibis Paint」をずっと使用していました。現在もその有料版と「Procreate」ですね。仕事の納品時などだけ、イラストレーターやフォトショップを使います。

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