初回限定盤 : 韓国の新進気鋭クリエイター・Jaehoon Choiが手がけた62ページのアートブックも同梱。野田洋次郎がInstagramで彼の作品と偶然出会い、直接コンタクトをとって制作を依頼。

アートワーク : 永戸鉄也

illionは言わずと知れた野田洋次郎のソロプロジェクト。どこか北欧系の音響/ポストロック的手触りを感じさせる、日本語と英語を使い分けたその音楽性は、かなり崇高だ。
RADWIMPSにしろ、このillionにしろ、野田洋次郎の音楽性から感じるのは「崇高さ」と「相手と自分との距離と相互」。それを片やRADWIMPSでは、あなたと私とでロックバンド・フォームで描き、このillionでは、私と私を取り巻く世界を、ポストロックや音響、ヒップホップを用い描いてきた。

以前に比べ、グリッジポップやダブステップ等のヨーロピアンなクラブサウンドに、あの独特の歌声がベストマッチングを見せる今作。あえて記号的に歌を伝えることで、聴き手により、自分の中での物語を広げさせたり、答えを探させたりさせるところは、変わらず秀逸だ。
　また、原田郁子をゲストボーカルに迎え発表された先行デジタルシングル「Water lily」は、中学の頃から野田洋次郎の作る音楽のファンであったという、元モデルであり、現イラストレーターの中瀬萌　http://mirklub0814.wixsite.com/moenakase　がジャケットを手掛けたもの。独特の色彩感覚が持つその絵と楽曲とがベストマッチを見せている。