Art Direction & Design ： YOSHIROTTEN(YAR.tokyo)
Design ： 花房真也(YAR.tokyo)
CG ： 渡邊祐貴(YAR.tokyo)
Photographer ： 東海林広太
Typography ： Aika Hirano

SOIL&”PIMP”SESSIONSがTBS系金曜ドラマ「ハロー張りネズミ」の全音楽を担当したことからインスパイアされたアートワーク。手掛けるのはあのYAR.tokyoだ。 デザインに花房真也、CGに渡邊祐貴を置き、日本のみならず海外にも多くクライアントを持つYOSHIROTTENがアートディレクション・デザインを担当。彼の作品には、80’sのアグレッシブな煌めきとスタイリッシュな無機質感を感じさせるものも多いが、今作はそういう印象とも違う。昨年、アパレルブランド「BANZAI」AW Collection -APOPHENIA-に作品を提供し話題を呼んだAika Hiranoのタイポグラフィや、写真家・東海林広太が織りなす、瞬間の美を夕焼けに落とし込んだ写真とのコラボレーションも新たな化学変化を生んでいるのかもしれない。このアートワークが単なるインパクトモノではないことは、音を聴けば更に納得するだろう。

SOILと野田洋次郎（RADWIMPS）のコラボレーションは驚きだったが、結局のところ合点がいく。『ハロー張りネズミ』のために書き下ろされた「ユメカマセ」はソイルが作曲、野田が歌詞と歌を担当。ソイルは過去にも国内、海外の数多くのアーティストとのコラボレーションを行ってきているが、野田が歌詞とボーカルの参加で他アーティストとのコラボ—レーションを行うのは今回が初だ。オフィシャルトレーラーのインタビューで野田は「両者の一番おいしいところが高い次元で混ざり合ったら良い」と語っている。Gallianoを彷彿とさせるジャズヒップホップのグルーヴと野田のフロウ。この２つが混ざり合ってカッコ良くないわけがない！野田のセンチメンタルな歌詞はソイルのダンディズムで都会的なサウンドをより一層引き立て、まさに高い次元で最高に気持ちよく混ざり合っている。

「ユメマカセ」ミュージックビデオ YouTube Ver.

「不器用な男達のオフビートなロードムービー」がテーマの今作。メガホンをとったのは加藤ミリヤやMONDO GROSSO、その他多くのMVやCMを手掛ける丸山健志。モノクロの東京の夜の街、野田のダンスシーンはまるで一夜の儚い夢のようだ。ダンサー、モデルとして世界的に活躍するBambi Naka（バンビ・ナカ）が社長(SOIL&”PIMP”SESSIONS Agitator)に銃口を向けるシーンの出来過ぎ感は、一周回って逆にクールに見える。

9月の「ハロー張りネズミ」オンエア最終回には野田と共にエンディングに出演し、10月には完全限定生産の7inchアナログ盤をリリース。『東阪ワンマンライブ「晩秋のハリネズミ」』と題したツアーゲストには、11月15日の赤坂BLITZには野田を、12月08日の心斎橋BIGCATには2016年リリースのアルバム『BLACK TRACK』収録の『Connected feat. Nagaoka Ryosuke』で共演した長岡亮介（ペトロールズ）を迎える。最後まで見逃せないプロジェクトだ。

TEXT：秋山 昌未