2018.03.15

Minoru作品展「はちみつ峠の食卓」

Minoru(イラストレーター)

これまで装画(本の表紙等で起用されているイラスト)を中心に、CDジャケットや商業施設のポスター等のイラストを数多く手掛けてきた、イラストレーターのMinoru。一般的な彼女の作品イメージにあるタッチとは、また違ったテイストの作品展「はちみつ峠の食卓」が、2/6〜2/18までLUCKAND-Gallery Cafe&Bar-で開かれた。以下は、その全容のレポートとなる。

Minoru作品展「はちみつ峠の食卓」
■日時:2018年2月6日(火)〜2月18日(日)
■場所:LUCKAND-Gallery Cafe&Bar-

メインビジュアル

人物や動物に重きを置き、独特の模様や雅やかさ、そして遠近法を利用した奥行のある絵として、多くの人の目に触れてきたMinoruのイラスト。そんな中、彼女の今回の作品展は「食べ物」をテーマに、これまでに書き溜めてきた自信作、そして今回の為に書き下ろされた多くの新作が額装され展示されたものであった。

これまでは比較的、シャープで瞭然なタッチが主なる印象のあった彼女の作風だが、今回はファンタジーさも交えた、フリーハンド感溢れる、ほっこりする温かいタッチの食べ物のイラストばかり。また、各絵のどこかに彼女の生みだした妖怪「ちみ」も見え隠れさせており、それを探し出す密かな楽しみもあった。

また会期中は、展示された作品に登場したフレンチトースト「ラカンド特製フレンチトースト ~MinoruコラボVer.~」が実際にメニューとしても提供された。

PC上で描き、色をつけていく彼女の作品性質上、どのような形で独自性をもたらせていくのか、という点にも興味があり、足を運んだ今回の作品展。しかし、そこに飾られていた絵たちは、どれも印刷する際の紙に大変こだわっており、それが各絵とのベストマッチを見せ、かけがえのない逸品感を醸し出していた。

この作品展の為に、数多くの紙見本の中から吟味し、何度も試し印刷を重ね、これだと思える組み合わせにて臨んだという今回の作品展。それらも手伝ってか、どの作品も温かさと人間味、手触りや質感を持っており、各々いまにも美味しい匂いが漂ってくるかのようであった。

「今後は、この『食べ物』に関する絵にも力を入れていきたい」と力強く語っていた彼女。今回の作品展で、より開花した感のあるこの路線。これまでの仕事で彼女が多く見せてきた作風とはある意味対照的な2つを持ち合わせ、使い分ける彼女の底知れぬ才能に、改めて今後の更なる高いポテンシャルを抱いた作品展でもあった。

TEXT&PHOTO:LUCKAND

<Minoru(みのる)>
イラストレーター/デザイナー。1987年生/京都精華大学デザイン学部VD学科イラストレーションコース卒。東京在住。動物や人物などをモチーフに模様を組み合わせながら独特な雰囲気の作品を多数制作している。装画を中心にCDジャケットや広告等多分野で活動中。
http://okuno0513.wixsite.com/pulse/

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