2018.07.18

工場どうしの共創

凛として時雨「ペンタゴントートバッグ」工場レポート

理想的に物事を運ぶために、時にリレーションはとても重要となってくる。例え自分独りで手に負えない事案も、他からの援助や分業をすることで、これまで越えることの出来なかった難題もクリアできることも多い。ことモノづくりに於いてもそれは当てはまる。理想を具現化させる為に、適宜に各所の特性を最大限に活かしてもらい、それらを合わせることで一つのモノを完成に至らしめることも可能だ。
今回制作工程を紹介する、凛として時雨のツアーグッズである『ペンタゴントートバッグ』も然りであった。オリジナルの五角形のトートバックという、これまで例を見ないこの形成は、とても一社で賄えるものではなかった。裁断された生地をプリント工場に入れ、まずはプリントを施し、そのプリントされた生地を次は縫製工場に入れ、縫い合わせ、五角形のバッグに仕上げるといった工程が必要であった。結果、この逸品は、細密なプリントを得意とする関東の工場、縫製を得意とする九州の工場どうしの共創(リレーション)なくして生まれることはなかったのだ。
今回は、上述の『ペンタゴントートバック』の製作現場に潜入してきた。


コンニチハ、ケイシです。このLUCKANDの取材で、油性プリントの工場に潜入するのは初めてのことになります。それもあり、今回はこれまでにも増してワクワクしています。では、行きましょう!

油性プリント工場レポート

凛として時雨『ペンタゴントートバッグ』

まずは水性・油性プリントの違いやインクの特徴を紹介します。

・水性プリントとは…多くのTシャツに使用され、記事にインクが染み込むイメージで自然な仕上がりを特徴とするプリント
・油性プリントとは…細かい柄や発色を良くしたい時に使用され、生地にインクを乗せるイメージでしっかりとした存在感を出すプリント

・まずはこの回転台に生地を乗せ、回転させながら作業を行っていきます。

・スキージ(刷毛)を使い、人の手によって1枚1枚プリントを行っていきます。

・プリント版を2枚セットし、回転させながら交互に刷っていきます。

・それをこの機械で乾燥させます。これでプリント工程は完了し、縫製の工場へリレーションされていきます。

 

縫製工場写真レポート

今回の『ペンタゴントートバッグ』はキャンバス生地を使用しており、少し厚みがあるため、それ相応のミシンと縫製技術が必要なんです。
上記油性プリント工場でプリントされた生地と、ハンドル(持ち手)部分、そしてあらかじめ「凛として時雨」のネームタグ縫い付けておいた内ポケットを寸分の狂いもなく、五角形になるように縫い合わせていきます。

段差がある部分、ない部分とで使用するミシンも違ければ、縫製手法も異なります。それらを職人が見極めてミシンを操っていきます。様々な工程を経て、仕上げに真鍮色のドットボタンと付けて完成です。

 

ミシン:工業用1本針平ミシン
縫い方:段押さえ2mmステッチ

ミシン:JUKI工業用1本針平ミシン
縫い方:本縫いステッチ

ミシン:ニット用インターロックミシン
このミシンでできること:ニット生地用の縫製ミシンで、オーバーロック&本縫いの同時縫製が可能。

ドットボタン(名称:リングホック)

続いては、この工場で働く社長さんと企画部長さんに話を訊いてみました。

<NEXT 2/2>「「メイドインジャパンである意味(りゆう)」」

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