2019.12.16

Re: Public <2014-2019>

Bentham


 

 

Art Direction & Designer : 河島遼太郎

このBenthamのアルバムはインディーズ時代からの現在までを集約したベスト盤。基本、収まっている多くが既発曲ということもあり、ファンにしたら持っている曲も多いことだろう。ストリーミングやサブスクリプションが有効的なこの時代、「購入して手に持っていたい!!」とさせるには、これまで以上に工夫や利点が必要とされている。
そんな中、盤のみにそれらでは味わえない付加価値をもたらせるためにも、独自の仕様やパッケージ、アートワークは、より重要な役割を担うことになる。
それを今作に置き換えると、その「盤ならではの付加価値」にも力を入れていることが伝わってくる。特に初回限定盤は、オーバースリーブ仕様にして、中の歌詞カードもあえてブックレットスタイルではなく、ポスターを折った仕様。開くと薄くひかれた今回のジャケットのアートワークの上、全21曲の歌詞がギッシリと載っている。開いて歌詞を見る、そして遠方からではポスターとしての役割を果たしている面白い仕組みだ。

今回のアートワークを手掛けたのは、このLUCKANDでも幾多か登場いただいている河島遼太郎氏。Benthamの代表曲のリリックに出てくる♪怪獣が耳打ちする♪からインスパイアされ、その怪獣を成立させる為、あえて収録各曲の歌詞の中からメンバーが選んだキーとなる言葉を、それぞれ引き出し、散りばめ、コラージュさせて怪獣せしめたもの。うん、遠くから見ると確かに怪獣だ。

どのモチーフが、どの曲の、どのフレーズから取られているものか?を是非、その歌詞ポスターから探し出して、答え合わせをして欲しい。加えて、ところどころに散りばめられた花もポイント。その花については、是非各人が作品を聴きながら、そして歌詞を見ながら考えて欲しい。答えはそこにあるから。

 

透明感を有したシッカリと届く歌声とキャッチーでポップなメロディを軸に、ダンスミュージックやエモーショナルなギターロックサウンド等をハイブリッドに発信してきたBentham。そんな彼らが2014年のインディーズデビューから5周年を迎えた。その節目として、ここまで応援し、並走してきてくれたファンへの改めての感謝を込めたプレゼントともいうべく届けられたのが、このベストアルバムと言える。

先のアートワーク項でのテキストともやや重複するが、選曲から曲順、アートワークに至るまで、あえてこの時代、持っていることへの意味合いや付加価値もかなり重要視された、この盤。収録曲も分数限界まで収録し、ストリーミング等では無い、過去MVになっていない良い曲たちも沢山収まっている。
ファンからも「ベスト盤に入れてもらいたい曲」を募り参考に選曲。結果、代表曲のみならず、「今の彼らを聴くならこれ!!」的な楽曲たちが主観/客観織り交じり、新曲やリメイク曲を含め全21曲に渡り展開されている。

リメイクの「パブリック(2019ver.)」は、彼らの中でも人気No.1ソングである自身のデビュー曲にしてて代表曲とも言える楽曲。同曲が5年間ライヴで繰り返されたプレイを経て、そこで培われた今の彼ら感も同載させている。また、ラストに収められた新曲「FUN」は、ゲストボーカルにチリヌルヲワカのユウを迎え、ウィンテージな音質感も交え、ウキウキする反面、途中から襲い掛かってくるような狂暴性との同居も印象的。誠にこれからの彼らの進む先をより楽しみにさせてくれる1枚だ。
これまでの彼らはもとより、これから次へと向かっていく大事なマイルストーンがいっぱいな今作。彼らと出会い、関係を育むなら、まずはこの1枚から!!

Bentham「FUN」 MV

Director : director : 佐藤敬 / 制作:radioDTM

 

ベストアルバムの最後を飾り、且つ新曲のこの「FUN」は、ゲスト・ヴォーカルにユウ(チリヌルヲワカ,/ex- GO!GO!7188)を迎え制作されたもの。同MVのディレクションはradioDTMの「社長」こと佐藤敬が務めた。佐藤がBenthamのMVの監督を務めるのは「Cry Cry Cry」「TONIGHT」を始め5本目となる。まさにベスト盤を締め今後へと想いを馳せさせるべく曲にベストなマッチングと言える。

同MVは彼らのCDデビューのきっかけとなった自主制作盤をレコーディングした想い出のスタジオにて撮影。スタジオの様々な箇所に色々なものを持ち込み、ワンカメ風に撮られる中、他のメンバーが違った楽器を演奏する場面もお茶目にインサートされていたりする。極めつけは彼らのMVでは初となるバンド演奏をメインとし、それをモンタージュ風にカットアップしていった編集。襲いかかってくるかのような同曲のソロ部分も各楽器がフィーチャーされ、彼らのライヴバンド、そしてあくまでもFUNでポップさを基調としている同居を上手く描き出している。

TEXT : LUCKAND編集部

Bentham OFFICIAL HP

http://www.bentham-web.com

 

Bentham

Best Album『Re: Public <2014-2019>』

初回盤(CD+DVD)
¥4,000(+tax)
PCCA-04854
2019.11.13 ON SALE

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通常盤
¥2,500(+tax)
PCCA-04855
2019.11.13 ON SALE

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[収録楽曲]
1. パブリック (2019 ver.)
2. クレイジーガール
3. 僕から君へ
4. White
5. Cry Cry Cry
6. サテライト
7. TONIGHT
8. contact
9. Hope the youth
10. memento
11. cymbidium
12. アイマイミーマイン
13. YUMEMONOGATARI
14. 初恋ディストーション
15. 夜明けの歌
16. アナログマン
17. タイムオーバー
18. Chicago
19. FATEMOTION
20. 激しい雨
21. FUN ※新曲

[DVD収録内容]
2017.10.21. 「Re: Wonder TOUR 2017」 at 赤坂 BLITZ
2019.07.15. 「GOLD RUSH TOUR 2019」 at 渋谷 WWW X
上記ライブより厳選したライブ映像12曲を収録予定

 

Bentham ワンマンツアー2020(仮)

2020年
3/8(日)SENDAI CLUB JUNK BOX
3/15(日)福岡・UTERO
3/20(金・祝)札幌・COLONY
4/1(水)岡山・PEPPERLAND
4/3(金)名古屋・CLUB UPSET
4/4(土)心斎橋・Music Club JANUS
4/11(土)新潟・CLUB RIVERST
4/18(土)渋谷CLUB QUATTRO

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