『TODAY』
Art direction / Illustration : Fumihito Toba【tobird】
Desighner : Hideq Sakai(Hostess Entertainment)

『Live sessions at Red Bull Music Studios Tokyo』
Art direction & Designer : Yusuke Kobayashi

『TODAY』に関しては、すでに生産終了した2007年の1st demo『THE NOVEMBERS』からTHE NOVEMBERSのアートワークを担当してきたtobirdこと鳥羽史仁が今作でイラストレーションを担当。黒いジャケットの中央、アーモンド型の中には表1＝街の灯り、表4＝人々の姿の写真が埋め込まれ、その周囲を樹木のイラストで囲っている。細密画から変化を見せた前作『Before Today』のアートワークと色彩は違えど、実は繋がりがある。それは是非現物で確認してもらいたい。バンド名とタイトルを片仮名表記した帯デザインは洋楽の日本盤を思わせ、かなり目を引く。クリエイティブディレクションとコピーは高野修平（Modern Age）。デザインはレーベル(Hostess Entertainment)のHideq Sakaiが担当。帯の裏側も黒色なことにはアートワークへのこだわりが、タイトルナンバーの歌詞レイアウトにはメンバーの小林祐介による遊び心が潜んでいる。

また『TODAY』リリースから2日後、札幌DUCE SAPPOROを皮切りにスタートした『Tour – TODAY -』の各会場で限定枚数販売（現在はオフィシャルストアでも販売中）された『Live sessions at Red Bull Music Studios Tokyo』のアートワークは、メンバーの小林祐介（Vo,G）が手掛けている。紙ジャケの中央にはライヴ中と思われる足元の写真が配置されており、タイトルのフォントサイズはかなり小さめ。だがそのさりげなさから、通常のCDとは意味合いの異なりを感じた。

今回、久しぶりにデモから聴いたtobirdが仕上がりを聴いて震えたと言う最新曲「みんな急いでいる」や、2011年に小林祐介がソロ曲として発表した「アルケミスト」の再録「O Alquimista」、L’Arc~en~Cielへのリスペクトを込めたカバー「Cradle」、ラストはタイトルナンバー「TODAY」。なんと濃厚な4曲だろう。それまでもオルタナティブを根底に、ポップ・ミュージック、轟音シューゲイザーなど作品ごとに変化を見せてきたが、今作は幻想的かつ静けさが溢れるビューティフルミュージックだ。

更にRed Bull Music Studios Tokyoで今年行われたスタジオ・ライブを収録した『Live sessions at Red Bull Music Studios Tokyo』は「Gilmore guilt more」の新バージョンを含む全11曲収録。「Gilmore guilt more」は『Misstopia』（2010年リリース）収録のオリジナルと比べ、深層からの覚醒というべきだろうか。サウンドが実に立体的だ。 その他各曲のハイクオリティなライヴアレンジも是非チェックしてもらいたい。

TEXT ： 秋山雅美