2018.12.04

「BAND T-shirts Museum -LOFT Nagaya-」

BAND T-shirts Museum

2017年、邦楽アーティストの新しいバンドTシャツの魅せ方・価値観を提唱する目的で、バンドTシャツ約1000枚を集めた無料展示イベント「BAND T-shirts Museum(バンドTシャツミュージアム)」が開催された。初回は、2017年6月に東京・恵比寿KATAで開催され、その反響から、大阪・梅田ロフト、音楽フェス「FM802 RADIO CRAZY」、札幌・ライブサーキット「IMPACT!」と全国に波及。この記事では、2018年9月25日〜10月8日にZIP-FM協力の元、ロフト名古屋で開催された様子をお届けする。

「BAND T-shirts Museum -LOFT Nagaya-」
■日時:2018年9月25日(火)〜10月8日(月祝)
■場所:ロフト名古屋

バンドTシャツ、と聞いて想像してみてほしい。浮かんでくるのはおそらく、The Rolling Stonesの舌、The Velvet Undergroundのバナナ、AC/DCの雷マーク、NIRVANAのニコちゃん、RUN-DMCのロゴ、ボブ・マーリーの肖像画……、最後はバンドからちょっと外れたりもしたが、その音楽をよく知らずとも着ている人が多い洋楽アーティストのTシャツは、それだけファッションや日常と融合していると言える。

一方、邦楽アーティストのバンドTシャツを思い浮かべようとすると、大概自分が好きなアーティストのバンドTシャツは想像できるかもしれないが、誰もが見たことあるようなもの、日常やファッションに融合しているようなものはなかなか出てこない。「BAND T-shirts Museum」(以下、BTM)は、そんな状況に一石を投じることができないかと始められた、邦楽アーティストのバンドTシャツ展だ。約1000枚のバンドTシャツがLPレコードジャケットのようにパッケージング・陳列されている。

このイベントは、多くのアーティストグッズのデザインやプロダクト制作に携わるLUCK’A Inc.が先に掲げた目的の元、これまで制作に携わった邦楽アーティストのバンドTシャツを展示することで始めた。Tシャツを展示する以外に、会場ではバンドTシャツに焦点を当てたビジュアルブックも配布されていた。音楽に精通するモデルやファッション業界を牽引するフォトグラファー、スタイリスト、ヘアメイクによって、日本のバンドTシャツの新しい価値観を提唱するためのブックだ。今回のBTMでは、そのモデルを務めたアリスムカイデとうちだゆうほによるトークショーや、この夏にコラボで楽曲を制作したアリスムカイデとsooogood!のイベント、シンガーソングライターのみきなつみによるゲリラライブなども開催されていた。

これらイベントに加え、今回のBTMより新しい試みが始まっていた。「バンドTシャツ」という新たな価値観を提示するために、名古屋出身のクリエイターによる仮想の「バンドTシャツ」をコラボで制作し、販売した。参加したのは、イラストレーションやグラフィックデザイン、立体から写真など多岐に渡る制作活動を展開するデザイナー、アーティストのWASHIO TOMOYUKIと、RADWIMPS・04 Limited Sazabys・cinema staff等のアー写やライブフォトを撮影するフォトグラファーのYAO TAKESHIで、二人が合作した作品とそのTシャツが展示販売されていた。YAOが撮影した名古屋出身のバンドのライブ写真に、WASHIOがイラストレーションをのせたというオリジナルの作品だ。

これらは会場での限定販売だったが、現在少量のみLUCKANDのオンラインショップ(http://shop.luckand.jp/)で販売されているので、チェックしてみてほしい。今後、邦楽アーティストのバンドTシャツが、どのような形で展開されていくのか、要注目だ。

Text & Photo by LUCKAND

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