2018.09.07

Yukiyo Japan個展「Tras4」

Yukiyo Japan

スリーピース・ロックバンド「凛として時雨」のアートワークを長きに渡り手がける一方、自身のクリエイターとしての活動は謎に包まれていたYukiyo Japanが、初の個展「Tras4」を開催した。新作や凛として時雨の関連アートワークなどが展示された、その内容をレポートする。

Yukiyo Japan個展「Tras4」
■日時:2018年5月29日(火)〜6月12日(火)
■場所:LUCKAND-Gallery Cafe&Bar-

Yukiyo Japanは非常に特殊なクリエイターである。その才能は「凛として時雨」のアートワークを初期より現在まで手がけ続けることで、広く知れ渡っているにも関わらず、その他ではほとんど作品を披露することがない。また個人としての人となりも全く謎に包まれており、性別さえも作品を通して類推することしかできない。

そんなYukiyo Japanが初めて個展として開催することとなった「Tras4」。この展示では、Yukiyo Japan自身の新作に加え、2018年2月にリリースされた凛として時雨の6thアルバム「#5」のアートワーク原画やTK from 凛として時雨のグッズアートワークが展示された。

2004年に発売された凛として時雨の1stアルバムは「#4」というタイトルで、2018年2月に発売された6thアルバムは「#5」。「#4」のアートワークを手がけたのもYukiyo Japanであり、どうやら今回の個展のタイトルはこの点に関係がありそうだが、実際この長い月日の中でYukiyo Japanの作風は進化をとげている。「#5」のアートワークでは、楽曲の世界観を昇華するように、ピックアップ、ボリュームつまみ、ペグや弦などのギターパーツが使用された造形物としての作品がブックレットを彩っており、明らかにその作風が違う次元に到達しているのがわかる。

そして今回、個展を開催するにあたって制作を始めた新作では、そのアートワークで体現した世界観と、元々Yukiyo Japan個人がクリエイターとして持っている美的感覚が見事に調和された作品が生み出されていた。立体物としての創作手法には共通点があるものの、その異なる世界観を表した作品が並んで展示されていたことが、Yukiyo Japanというクリエイターの深遠さを感じさせる構成であった。

また、今回の展示ではプラスアルファの企画として、凛として時雨のマーチャンダイズの制作を行ってきた加藤晴久による、新作を使ったプロダクトも多数制作され、多くの来場者が作品の鑑賞に加えて、プロダクトの吟味にもじっくり時間をかけていた。その一部が若干の在庫数に限り、LUCKANDのオンラインショップ(http://shop.luckand.jp/)で販売されているので、ぜひチェックしてみてほしい。

TEXT&PHOTO:LUCKAND

<Yukiyo Japan x LUCKAND共創プロダクト>

■Tras4 Tシャツ

■Tras4 サーモボトル

RECOMMEND