『THE NOVEMBERS TOUR – Before Today -』
■日時 : 2017年11月8日
■場所 : マイナビBLITZ赤坂

先立ち、当LUCKANDにて、今後のアーティストたちがスタンドアローンで活動していくための指針になるであろう貴重な話(美しさを貫く為に必要なセルフプロデュース)を色々と訊かせてくれたTHE NOVEMBERS。その後、11月上旬には、LUCKAND-Gallery Cafe&Bar-にて、シリーズ・エキシビション「TaG」（T-shirts Art Gallery）の第一弾として、これまでのライブ・フォトを中心にカメラマン・宮下太輔が撮影した写真をTシャツにプリントした写真展を開催。先日、大好評のなか会期を終えた。

その会期後半の去る11月8日、東京はマイナビBLITZ赤坂にて、彼らの全国ツアーのファイナル公演が行われた。先日発売のベストアルバム盤『Before Today』収録楽曲を中心に行われた、今回のツアー。彼らのここまでの軌跡や歴史を、各楽曲を通じ垣間見れるであろう予測の下、会場に足を運んだ。しかし結果、けしてトレースや再現するに留まらず、逆に全て現在の彼らによるアップデートされた各楽曲を楽しませてもらったこの日。内容も、歴史をさかのぼって収録されていた作品とも違え、現行の彼らならではの選曲や曲順。誠に＜Tomorrow＞が味わうことができた。

この日は幾つもの共創もうかがえた。かつて聴き手各々の解釈を交えた施策を思い起こさせた「Moiré」（ベスト盤未収録）や、Plastic Treeのトリビュート盤収録の「アンドロメタモルフォーゼ」の披露を始め、ライヴ中盤からの鍵盤＆女性コーラス、トロンボーンとトランペットを交え鳴らされた曲たちの共創は、時に叙情性を掻き立て、哀愁性や優雅さを楽曲にブレンドし、より視覚化や可視化への寄与も印象深い。

また、4、5月に実施された全国ツアー『美しい日』のファイナル公演に引き続き、当日のVJはrokapenisが担当。＜青色の美しい火＞の映像をバックに、より荘厳さが増した「美しい火」。打ち寄せる海辺の映像が、楽曲に日常を混じり合わせたかのように重なり映った「最近あなたの暮らしはどう」。固定した場面写真に動く映像を重ねコラージュさせた映像と共に歌われた「human flow」。本編ラストでは、美しさにたどり着いたかのような遠景からの海辺の街の美しい夕景の映像が、歌われた「今日も生きたね」と共に穏やかでたおやかな気持ちにさせてくれた。それらは、観者の余白に訴えかけ、楽曲と交りあい、各人独自の光景を脳内に広げていくような、シンプルながら、まるで日常のふとした光景や景色を切り取ったかのような感受があった。

合わせて、ここに掲載しているこの日のライヴ写真の数々は、上述の「TaG」展の宮下太輔によるもの。宮下太輔は1986年生まれ、ライブ写真を中心に活動するフォトグラファーでTHE NOVEMBERSを長きに渡り写真に収め続けており、その他にもcinema staffやPeople In The Box、Qaijffなどを撮影している。瞬間をドキュメントのように切り取ったかのような彼の手腕が冴えたものばかりだ。

加え、グッズ関連では、波形をモチーフにした刺繍入りの「“WAVES”CAP」 。ビッグシルエットのスウェットで、モチーフは小林の手描きによる「“HOPE”SWEAT」 。真鍮製のロゴネックレスで、使い込む程に味を出すべく一点一点工房でのアンティーク加工された「N logo necklace（色はGold、Darkの二色）」。そして、「“NOISE”T-shirt」が今回のツアーの新アイテムとして発売され、それらはどれもプロダクツ制作に妥協のないTHE NOVEMBERSやMERZらしいこだわりの逸品たちであった。

“WAVES”CAP

“HOPE”SWEAT

N logo necklace

“NOISE”T-shirt

「またいい未来で会いましょう」とはこの日のライヴでボーカル＆ギターの小林が最後、会場に残していった言葉なのだが、その言葉通り、この先も良い未来を信じさせてくれるかのような一夜が、そこにはあった。

尚、LUCKAND Online Shopでは上記「TaG#001 – THE NOVEMBERS」展で販売したシャツの予約受付が、間も無く終了する。カメラマン・宮下太輔が切り取ったTHE NOVEMBERSを、ぜひ日常にも取り入れてみてほしい。

TaG#001 T-Shirts
【予約期間】11/19(日)23:59まで
※通販は5種類のみの販売

TEXT ： LUCKAND
PHOTO ： 宮下太輔