sooogood!は2017年3月までカラスは真っ白のギタリストとして活動していたシミズコウヘイがボーカル/ギター/トークボックス/作詞/作曲/アレンジを務めるソロプロジェクトだ。
シミズはプロジェクトと並行して声優への楽曲提供やレコーディングメンバー、ライヴサポートも担当。また、俳優の桐谷健太の楽曲アレンジやギター演奏、プログラミングも担当。東宝映画『何者』ではライヴシーンの監修。俳優の菅田将暉の劇中曲ではギターとして演奏参加し、スクリーンに出演している。合わせて菅田の音楽活動全般のサポートも行うなど、マルチな活動を行っている。

「sooogood! Presents “diamonds”」
■日時：2017年7月27日(木)
■場所：渋谷WWW
w / LUCKY TAPES / 向井太一

7月27日。この日、LUCKY TAPESと向井太一を迎え渋谷WWWにて行われたこのリリースライヴでは、これまで販売していたTシャツに加え、新グッズとしてトートバックも発売。こちらも好評を博していた。

diamondのジャケットデザイン、グッズデザインはいずれもlits Inc.の渡部謙介氏。
カラスは真っ白の頃から引き続きアートワークを担っているクリエイターだ。

diamondのデジタルジャケットは、暗がりの中にダイヤモンドとロゴ、という削ぎ落とされたデザイン。この思い切ったアプローチの背景には、必要最低限の構成要素でいかにして良さを伝えるか、というsooogood!というプロジェクトの姿勢そのものが反映されている。

グッズに関しても、“sooogood!”という言葉が放つポジティブさや背中を押すようなエネルギーを、よりシンプルに届けることをコンセプトに制作されている。
また、このTシャツのキャラクターデザインはGRAPHIC DIY ARTIST、ART DIRECTOR として COMME des GARCONS、STUSSY(USA)、木村カエラ全国ツアーグッズデザインなど様々な分野で活躍を広げているKOU ことKousuke Shimizu氏が手掛けている。
いずれもシミズがこの先に見据えている「未来」を、渡部氏はじめチームで共有できているからこそ、カタチとして成立しているのだろう。

この日、歌われたのはアンコールも含め全8曲。「低血圧girl」に代表されるロック/ファンク/R＆B/90’s POPS 等を基調としたスタイリッシュなポップミュージックを予想していたが、この日、披露された各曲は多種多様。うち数曲はファンキーなアプローチがあったものの、全体的には彼の音楽性の幅と多彩さ、引き出しや数々のプロット、アイデアが各曲毎に展開された。まずは彼の音楽性の幅や引き出しの多さを楽しんでもらう、そんな意図もあったのだろう。

チャップリン「Smile」のSEに乗り、サポートメンバーであるナガシマ タカト(Dr.)、永井隆泰(B.)、工藤拓人(Key.)に続き、ステージに現われたシミズ。この日は楽器配置もユニークで、上手(かみて)横向きにドラム、中央奥にベース、センター前面にカオシレーターが配されたシミズ、下手(しもて)がキーボードというフォーメーションであった。
意外にもsooogood!を始めてから、歌を歌い始めたというシミズ。立ちボーカルにてニューウェーブ色のあるフレンチエレクトロを楽しませてくれた「S.S.L.」、ボコーダーを起用した「LOVEJAPP」、シューゲイズ的な楽曲ながらFMシンセ的音色も印象的なチルアウトナンバー「NOT LOSER」では、シミズもギターに持ち替え、怒涛のインプロビゼーションを披露。また、幻想的でメロウな「FREEFALL」では、場内をたゆたわせていたのも印象深い。

このプロジェクトの特徴は生ドラムも含んだ人力が生み出す抑揚や臨場感。それらは楽曲にメリハリをつけるのみならず、高揚感や至福感までも与えてくれた。

「今日は2017年で最高の夜にする」とシミズ。中盤での「PLAY WITH ME」に入ると、ファンキーでハッピーさも現われ出し、パーッと華やかに景色も変わる。また、先行配信楽曲「低気圧girl」が飛び出した際には、LUCKY TAPESのホーン隊も加わり、サックス、トランペット、トロンボーンが各菅のソロも交え、会場を更に躍らせた。
そして、最後には同じく配信リリースの「diamond」も現われ、対照的に、しっとり、ゆっくりと沈殿していくかのような楽曲を会場の隅々にまで広げていった。同曲では♪闘うことを ぼくは選んだ　進むことを ぼくは選んだ　だからきみに ぼくの光を　ずっとずっと届けていたい♪のリリックも印象的。これからの所信表明のようにも響いた。

ちなみにこの「diamond」のMVは、前述のTシャツをデザインしたKousuke Shimizu氏がディレクターとなり、ファッションフィルム/アートフィルム/CM 広告フィルム/MVなどの分野で活躍する女性映像ディレクターYLT氏が映像編集を手掛けたもの。国内外で活躍するsooogood!と同世代の若き気鋭クリエーター達によりsooogood!そして「diamond」の世界観が“蒼き炎”のように映し出された作品に仕上がっているのも特徴的だ。

「でっかくなるからみんな見ててね」「絶対に一つのムーブメントになるからついてきて欲しい」とはライヴ中のシミズの言葉。アンコールの「BY YOUR SIDE」の、♪君とならどこまでも行けるよ♪のフレーズが次にまた会う約束のアライアンスのようにいつまでも心に残った。

9月には各会場ゲストアーティストと共に初の東名阪ツアーを開催する、この sooogood!。今後も彼の中から次から次へと飛び出してくるであろう引き出し豊かな楽曲群と、そこから段々と固まり、ますます明確になっていくであろう、これぞsooogood!という音楽性の登場に期待が高まる。

セットリスト
1.S.S.L.
2.LOVEJAPP
3.NOT LOSER
4.FREEFALL
5.PLAY WITH ME
6.低気圧girl(+hones)
7.diamond
Encore
En-1. BY YOUR SIDE

TEXT：LUCKAND
PHOTO：ハヤシサトル