artdirection and photograph : 奥山由之

これ、ネバヤンのジャケット!?と見まごう人も多いに違いない、今回のジャケット。彼らの今の音楽性とは全くかけ離れたものになっている(笑)。これらは、メンバーと同世代であり、いま最も注目を集める写真家、奥山由之の撮影によるもの。彼がアートディレクションを務め、ブックレット内外の撮影も全て行った。

過去の彼らのジャケット写真やアーティスト写真も彼の手によるものだ。これまでも小物を使った写真が目を惹いた彼らだが、今回は小道具では収まり切れないほどの大道具的なもの。ミニサイズのUFOや宇宙人の着ぐるみを制作。これが地球に降り立ち、発見され、ネバヤンのメンバーと共に日常生活をこの地球に送っていき、最後はUFOを海に還す(どこかに還す)といったものがリリックの合間合間に掲載されているのだが、どこかどれもスナップショット然としており、なかなかストーリーの点が線にむすばれないところもご愛敬。黒と夜を基調にされた全体デザインも印象深い。

前作アルバムを持って発起メンバーでもあったギタリストが脱退。その後も、たゆまず4人にて活動してきたnever young beach。これまでライヴで本領を発揮するようなアクティヴィティな楽曲たちも人気だった彼らの楽曲。対して今作の各曲はテンポがミディアムなものぱかりに加え、かなり構築感と作品性が高いものになった。より歌が中心となった感のある今作は、これまでのスタジオ内にてメンバーのセッション的に生まれてきたものを、もっとプリプロダクションから各人が責任を持って練って録音に挑んだもの。楽曲を最大に映えさせるべく各所での工夫や配慮、女性コーラスや自分たち以外の楽器も惜しみなく導入し、高い作品性ながらも風景に馴染む、さらっと聴け耳や心にもしっかりと残る楽曲集となった。今後への密かな決意や覚悟も多分に伺える、これからの彼らの広がりや躍進を存分に感させる1枚となっている。

never young beaach「STORY」

監督：奥山由之
特別カメラマン：never young beach ファンの皆さん

TEXT ： LUCKAND編集部