2019.02.21

Aurora

Cö shu Nie



Art Direction & Design : 大楠孝太朗(MIRROR)
Photgraph : 神藤剛

橋の下なのかトンネルなのか、アーチから切り出された緑は光を受け、力強く枝葉を伸ばしている。白く写る地面は曖昧に煙と光の境界線を行き来する。何層かの緑のアーチの先には森が広がる幻想風景…。

今回ジャケットのアートディレクションとデザインを担当したのは、SHE’Sやぼくのりりっくのぼうよみなどのジャケットデザインの他、メディアを問わず活躍するMIRRORのKotaro Okusu。フォトグラファーは星野源のジャケット&アーティスト写真や岡崎体育のアーティスト写真も手がける神藤剛。Okusuも神藤も光の演出が得意だ。ブックレットやバックインレイでも表紙のアーチに<ブレ>を加えることで抽象性を出している。

昨年6月にリリースされた『asphyxia』、今年3月にリリースの『絶体絶命』、そして今作は全てバンド名とタイトルの配置、テーマカラーで囲うデザインで統一。今作はグリーンがテーマカラーだ。多分キャリアの浅いデザイナーなら、表1の囲いも帯の背景も同色を選ぶだろう。だがあえて変化をつける巧みなカラーバランス。また、初回生産限定盤に付属のインディーズレアトラックス用の歌詞カードは、当時会場限定で発売された『OVERKILL』のジャケットを意識したデザインになっている。

Cö shu Nieと言えば、「asphyxia」がTVアニメ「東京喰種トーキョーグール:re」のOPテーマになったことで話題を呼んだ。しかも著者の石田スイ氏が自らフックアップし、<呼吸停止、窒息、仮死>を意味する「asphyxia」というタイトルまで命名。「東京喰種トーキョーグール」と言えば海外にもファンが多く、Cö shu Nieの大抜擢は異例のことではなかったのだろうか?

その「asphyxia」のピアノバージョンも収録された今作も、やはり中村未来(Vo,Gt,Key,Manipulator)のエキセントリックな声が実に印象的だ。特にM1「character」やM4「asura」は藤田亮介(Dr)の激しいドラムと松本駿介(Ba)のラウドなベーステクも堪能でき、中村が持つ歌の表情もドラマチックで聴き応えがある。

Cö shu Nie「character」

映像ディレクターの大久保拓朗と言えば、RADWIMPSや[Alexandros] など、挙げたらキリがない程多数のMVを手がけるスペシャリスト。エッジの効いたエモーショナルな演奏シーンを繰り広げる。更にアルバムタイトルを彷彿とさせる、まさにオーロラのように変化する色彩も怪しげで美しい。 繊細なエフェクトはかえってサウンドのダイナミックさを強調させ、まるでCö shu Nieと一緒になってリスナーへ豪速球を投げているかのようだ。

TEXT : 秋山雅美

Cö shu Nie Official Site

http://coshunie.com/

Cö shu Nie


「Aurora」

初回生産限定盤(CD+CD)
AICL-3578~9
¥3,000(+tax)
購入はこちら

通常盤(CD)
AICL-3580
¥2,000(+tax)
購入はこちら

2018年10月24日発売

Disc 1 CD
1. character
2. 葡萄
3. defection
4. asura
5. asphyxia (piano ver.)

Disc 2 CD ※初回生産限定盤のみ
「OVERKILL」 Re-mastered by Stuart Hawkes
1. supercell
2. 透明
3. butterfly addiction
4. フラッシュバック
5. DIAMOND

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