2018.07.03

僕と青

大橋ちっぽけ


AD+D:suzzken
photography : 稲垣謙一

「大橋ちっぽけ」。まるでその名前を象徴するかの如く、ギターを抱えた大橋が小さくポツンと青い大地の真ん中にいる。
孤独で不安定な青い時代を象徴した写真を撮ったのはMaison book girlのアーティスト写真や、武藤昭平、ウエノコウジ、THE BACK HORNなどのインタビューカットを手がける他、自らアイドル雑誌「IDOL MOMENTS」を創刊したフォトグラファー 稲垣謙一。明暗の淡いコントラストに居る表4の大橋。バックインレイは口元から下のバストショット。静かな感情の揺らぎがどの写真にも存在している。

アートディレクションとデザインを担当したのは、ラブリーサマーちゃんやMaison book girlのMVを手掛ける他、映画会社のロゴデザインや作詞までこなすsuzzken。表1の引きの画に対して大きなフォントサイズのタイトルとアーティスト名。トタンや蔦など1ページ毎に違う写真が配置されたブックレットは、歌詞やクレジットを縦書きにレイアウトし、表1と同じ青い大地の写真が置かれた盤面は、黒の差し色が入った赤が目に飛び込む。
写真の構図や色がより際立つようなsuzzkenのデザインと稲垣の写真は、まるでこの作品のレビューのようだ。



「彼の歌声だけで音楽になる」。
それが大橋のキャッチコピー。メジャーデビューの今作を聴けばそれも納得するはず。秦 基博やデビュー当時の清竜人にも通じる正統派なメロディのリード曲「君と春」、大人でも子供でもない不安定な立場や複雑な気持ちを切り取った「19」など、全5曲収録。
昨年3月10日に両国国技館で開催された「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE ~YOUNGBLOOD~」でオープニングアクトを務めたステージを実際目にした人もいるだろう。各ラジオ局で「君と春」がパワープレイされていることから、ラジオでその歌声を耳にした人もいるだろう。
風景や些細な感情、色彩などを持ち合わせ、耳に優しく残るその歌声とギターの音色。大橋はあるインタビューで『今感じている不安や不安定な立場、複雑な気持ち等々。それを僕は「青色」と称してるんです。つまんない、ふがいない、何もない、そんな中で、それでも生きてきた自分を大事にしたいし、それが僕なんだって。』と語っている。感情を<説明>するのではなく<感じる>。今回はそんな楽曲達が揃っている。

大橋ちっぽけ「君と春」

directed by suzzken

 

ジャケットのアートワーク同様、MVのディレクションはsuzzkenが担当。無機質な部屋にどこか温かみを感じるのは、 窓の外で揺れる緑のせいだろうか? それとも部屋でギターを抱え歌う大橋の声のせいだろうか?スモーキーな青い色調と、ノーマルな白い色調が小節により切り替わり、ソファの位置などにも変化をつけている。派手な演出はないのに、またここに来たくなる(=このMVを観たくなる)と感じさせる、心地よい画の力だ。

TEXT : 秋山雅美

大橋ちっぽけ OFFICIAL SITE

https://chippoke.themedia.jp/

MINI ALBUM

『僕と青』

RPDCD-001
¥1,500(+tax)
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2018年6月6日(水) Release

01.君と春
02.オレガノ
03.19
04.信じてほしい
05.さよなら、ありがと

LIVE

大橋ちっぽけ「僕と青」レコ発自主企画ライブ
07月06日(金)渋谷LUSH
08月08日(水)大阪 Live House pangea

wefan records×三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON共同ツーマン企画
『The Lodestar “acoustic” # 3』
07月01日(日)三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON

『夏福2018』
07月08日(日)大阪梅田周辺5会場

『篠島フェス 2018 supported by ZIP-FM』
07月15日(日)篠島 芝生広場、サンサンビーチ など

『MONSTER baSH 2018』
08月18日(土)香川 国営讃岐まんのう公園

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