Cover Art：高木耕一郎

The cold tommyの表現（歌詞、メロディー）と高木の作品の訴えたい内容が似ているという点から、今回、ジャケットに「うさぎの刺繍」が起用された。また、うさぎはThe cold tommyのメンバーがプライベートで飼育しており、心のより処でもあるとのこと。

この「うさぎの刺繍」は、我々が日々生きている「現実」が、実はあらゆる価値観が共存しながら、人々が抱く物事への微妙な認識のズレとともに、危ういバランスの上で成り立ちながら機能していることを改めて気づかせる意図を持っている。その意図的に生み出された「違和感」を伝えることで、偏った物の見方から解放しようという試みが含まれているようだ。

The cold tommyは2009年に3ピース体制にて活動開始。「伝えたいのは、誰にでもある日常を ここにしかない言葉と音で 共有する悦び」を標榜し、2015年7月にはJUSTA RECORDよりメジャーデビュー。2016年4月のドラマーの交代劇を経て、新体制として初のスタジオ録音盤がこちら。
“精神的な「ロック」を追い求めて突き進んでいる”と語る彼ららしい、緊張感とヒリヒリした感じ、そしてドライヴ感溢れるソリッドなロックナンバーを全8曲を収録している。ガレージロックややさぐれロックを基調にしつつも、「アカツキ」や「Misery’s machinegun」といった、サビの部分でやってくるストレートになる部分での解放感や夜明け感を擁した曲も聴きどころ。これまで以上に広がりも期待できる1枚だ。

監督：笹原清明
http://www.sasaharakiyoaki.com/index_info_new.html

今回のMVとアーティスト写真は、バンドSpangle call Lilli lineのメンバーでもあるカメラマンの笹原清明が担当。「アカツキ」のイメージに青があり、独特な青の色を作り上げる彼に依頼。統一感を持たせる意味もあったという。笹原自身がアーティストという側面もあるので、撮られる側の気持ちも理解しつつ信頼し合えた状態で作業を進めることができたという。
夜明け前ともとれるひんやりとした青を基調としたMVは、彼らの持つ独特のヒリヒリした感じやささくれだった感じ、開戦前夜のふつふつとした内包したものをクールに表現。バンドの持ち味を上手く引き出すことに成功している。