2017.06.16

目指しているものは、シンプルかつ上質なもの

Cozy(Laika Came Back)

ギターと必要最小限の機材のみで作り出すバンドサウンドとナチュラルで温かみ溢れる陽だまりのような歌が特徴的なCozy(元AIR)のソロプロジェクト、Laika Came Back(以下 : LCB)。極めて身近に感じながらも、聴き手をここではないどこかへと誘ってくれるその音楽性も印象的だ。
作品も歌もグッズ類や生き方までも、彼から届けられるプロダクツは一貫してシンプルで上質。彼の中での最大級の追及やこだわり、ユーザーへの愛情が込められているものばかりだ。
活動発表から7年。制作してきた数々のグッズを前に、彼のモノづくりの考え方や目標を、音楽性も交えて紐解いた。

「実用に長けているもの 使って輝くものを作りたい」

━マーチャンダイズについてですが、ここに過去に制作されたグッズ類が並んでいます。Cozyさん的に思い入れ深いものはどれですか?

Cozy

うーん…。どれも愛着があって、どれも好きです。その中でも最近作ったフーディ(フードパーカー)は作っていて楽しかったですね。ヴィンテージのカレッジ系ものが大好きなのですが、カレッジものを作るのであれば大学が必要だろうと(笑)。ならアメリカにLCBという架空の村を作り、そこに大学があって、そのフーディがこれ、と想像しながら作っていきました(笑)。

フードパーカー

━アメカジテイストがお好きですよね。

Cozy

シーズンを選ばないものが好きです。だからシーズンを考えて作ったりはしてません。特に現代は建物の中に入ってしまえば、一年を通して室温はほぼ一定ですから。オックスフォードシャツにしても、生地をあえて薄いものにしたりしました。あとは自身の広告物でもあるので、一応アーティスト名も入れてはいますが、そこにこだわりはありません。デザインに関しては自分の好きなフォントを基準に、そこから色々と変化をつけていったり組み合わせたりして作ってます。

オックスフォードシャツ

━フォントもですが、その行間や余白も大切にしているイメージがあります。

Cozy

シンプルで上質で品がある、そんなフォントが好きです。中でもヘルベチカはやはり好きですね。他にもタイムス系が好きで、美しくてずっと眺めていても飽きない(笑)。なので、それらがシンプルな書体な分、行間や文字の間隔やプリント位置はとても大切にしています。

━分かります。

Cozy

配置や間隔がちょっと違うだけで、ガラッとイメージが変わってしまいますから。そういった部分は音楽にも共通しているところがあります。デザインと音楽は、とても近いし似ていると思います。僕の音楽にしても、ほとんど聞こえないレベルで色々な音が入っていたりします。聴き手には何の楽器か分からないけど、よく聴くと何かが鳴っている気がする。だけど、その音があるのとないのとでは、全く聴こえ方違います。それがある故、上に乗ってくるメロディーも引き立つという場合もあります。

Laika Came Back の歴代グッズの一部

━ちなみにCozyさんがグッズを作る際の基準は?

Cozy

いつも自分が実際に使っている物で何か作りたいというのがあって、実用に長けているもの、使って輝くものを選んでいます。いわゆる「これ僕も使っているんですが、とても使いやすいし便利だし、良いですよ」っておススメしたい感覚に近い。僕の音楽にしても、「自信を持って良いものなので、是非おススメしたい、お届けしたい」といった感覚もあります。楽しいことや良いものって、みんなで共有したいじゃないですか。幸せはみんなで分かち合いたい。ライヴにしても、一緒に幸せな時間を共有したいからやっている、という面もあります。

━具体的にアイテムのお話を伺っていきます。まずはトートバッグ、これは内側にナンバリングを書かれていましたね。

Cozy

懐かしいですね。僕も凄く愛着があって今でももちろん使っています。50個限定でしたから、貴重なアイテムです。

トートバッグ

編集部で保管している「#00」

━このロゴTシャツの色味も絶妙ですよね。この色味は他のアイテムでもなかなか出せません。

Cozy

なんとも言えない中間色ですよね。ほんと絶妙な職人技だと思います。

ロゴTシャツ

生地色の色が絶妙に透けて風合いのある色味になっている

━あとはイベント限定でAIRのTシャツも作られましたね。しかも活動を終了してしばらく経って、一夜限りの活動だったので、デザインを見たときに凄く興奮しました。

Cozy

懐かしいですね、シンプルに事実しか載せていないプリントです。親友が主催の幕張の大きなフェスで販売したものなのですが、「昔の名前で出ています的なTシャツなど、誰も買わないだろう」と思いましたが、自分が欲しいので一応作ってみたら、発売開始後即完売だったようで…。周りからも「もっと作れば良かったのに」と後から散々言われました(笑)。

AIR Tシャツ

━ちなみにタグには「never waste the moment」のメッセージがありますが、これは?

Cozy

「一瞬たりとも無駄にしない」というニュアンスです。その時、その瞬間、全てのことにおいて、「今しかないんだ」「今が大切なんだ」という思いでずっとやってきた人間なので、それを一つのスローガンにしてタグに刻んでいます。今のフィーリングをしっかり形にしていく、そんな思いも込められています。

Cozy 愛用品

「Mac Book」

僕のデスクです。これがないと始まらないし、これに思いついたことを色々と入れ、加工しています。音楽制作には専用に別に一台あり、分けています。

「DIC・PANTONE 色見本帳」

色を指定する際に使っています。DICをメインに、そこに欲しい色がなかったらPANTONEに移って探していく流れです。見ているだけでも色々な絵や想像が膨らんできて、とても楽しいです。全く見飽きません(笑)。

「モレスキンのノート」「BIC オレンジEG 0.7のボールペン」

このモレスキンのノートにラフやイメージを書いたりしています。思いついたら、その雰囲気をなんとなく書き残しています。BICのこのペンが大好きで、実際は青インクの方が好きです。このペンでオリジナルも作ってみたいですね。

ノートと共に実際に制作され、現在販売中

「メジャー」

デザインの実寸を必ずメジャーで測っています。実寸でプリントアウトして切り取り、実際のTシャツにマスキングテープで張り付けて、これで測りながらプリント位置を決定しています。材質は絶対スティールですね。

INTERVIEW:LUCKAND
TEXT:池田スカオ
PHOTO:伊藤由岐

<Laika Came Back>

歌とギター、必要最小限の機材のみで作り出すナチュラルなバンドサウンドが特徴的なCozy(元AIR)によるソロプロジェクト。
童謡や唱歌に通じる懐かしさを感じる牧歌的なメロディを繊細で独特な歌声に乗せ、現代ならではの手法や解釈で消化した透明感のあるフォークミュージックが印象的。
2011年9月1stアルバム『Landed』リリース。2013年より本格的なコンサート活動を始める。2016年7月、2ndアルバム『Confirms』リリース。
日本は元より世界各地で曲作りを進める傍ら、JICA青年海外協力隊員として子供達への青少年活動などを行うといった経歴を持つ

Laika Came Back HP

LIVE

『Laika Came Back コンサート 緑の再会』
6/25(日) 名古屋 FLOAT

『Laika Came Back コンサート 岡山公演』
7/22(土) 岡山 城下公会堂 ゲスト : 植田 章敬

『音も外待雨 広島公演』
7/23(日) 広島 ふらんす座

『Laika Came Back コンサート 静岡公演』
7 / 30 ( 日 ) 静岡・清水 オルタナティブスペース スノドカフェ

『音も外待雨 千葉公演』
8 / 6 ( 日 )西千葉 cafe STAND

『音も外待雨 盛岡公演』
8 / 20 ( 日 ) 盛岡 大慈清水御休み処

『Laika Came Back コンサート 仙台公演』
9 / 6 (水) 仙台 Tiki-Poto

そのほかのLIVE

『日常音楽』
6/28(水) 渋谷 7th FLOOR
出演
蔡忠浩 ( bonobos )
Laika Came Back
ササキヒロシ ( ADAMat )

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