2019.07.05

『KOSUKE KAWAMURA -ARCHIVE-』

河村康輔(グラフィックデザイナー、アートディレクター、コラージュアーティスト)

これまでアパレルブランドのグラフィック、音楽や映像作品関係のアートワーク、広告デザインなど様々な作品を世に送り出してきた、グラフィックデザイナー、アートディレクター、コラージュアーティストの河村康輔。彼の数多くのテイストの中でも主にコラージュ方面に重きが置かれ、いいスパイスでのバッドテイストや悪趣味性と美しさの同居が魅力の彼のコラージュセンスを多分に堪能することが出来る、自身過去最大級の展覧会『KOSUKE KAWAMURA -ARCHIVE-』の模様をレポート。

KOSUKE KAWAMURA -ARCHIVE-
■日時:2019年6月28日(金)~7月15日(月・祝)
■場所:PARCO MUSEUM(池袋PARCO 本館7F)
https://art.parco.jp/parcomuseum/detail/?id=230

現在、建て替え中の渋谷PARCO。その工事用の囲いを利用し、ただいまアートウォールがほどこされている。そこでは現在、日本を代表する世界的人気コミック『AKIRA』の名場面や登場人物、各種モノローグやセリフのコラージュアートを展開。行き交う多くの人の目を惹いている。このコラージュを手掛けているのが、グラフィックデザイナー、アートディレクター、コラージュアーティストの河村康輔だ。

これまでアパレルブランドのグラフィック、音楽や映像作品関係のアートワーク、広告デザインなど様々な作品を世に送り出してきた彼だが、その中でも、素材を切り、貼り、再生させていくカットアップメゾッドを用いたリミックスコラージュアートには目を見張るものがある。


そんな彼の展覧会『KOSUKE KAWAMURA -ARCHIVE-』が7月13日まで東京・池袋のパルコミュージアムで開催中だ。河村にとって過去最大級でもある今回の展覧会は、彼の数多くのテイストの中でも主にコラージュ方面に重きが置かれたもの。いいスパイスでのバッドテイストや悪趣味性と美しさの同居が魅力の彼のコラージュセンスを多分に堪能することが出来る。

場内には、巨大なディスプレイケースの中に彼の特性の一つでもあるシュレッダーを用い、今回のフライヤーの無数の紙片が詰まった立体物がお出迎え。紙幣が細かく断裁され再生させたもの、大判のシルクスクリーンに印刷されたポスターやわざとモワレを起こさせた写真を手で裂き再び貼り合わせ大判に分けて展示したものや、別々のコラージュ作品が遠くから見ると4文字の組文字に映るという遠近を利用した楽しみ方、過去の商品化や装丁、ジャケット作品も展示され、彼の仕事の幅や世の中からの需要を確認することが出来るものとなっている。また、柱にまでその作品は浸食。今ならレセプションの時に本人が今回のポスターにリアルタイムでコラージュした最新作も拝むことが出来る。

彼の魅力の一つは単なる写実物を綺麗なままで終わらせないところ。スカムやトラッシュアートとも称せる悪趣味性やバッドテイストを当たり前のものにミックスさせ、現実の中に超現実を交えることで、そこに毒々しさや生々しさを伴った非現実を導き出すことに成功した作品ばかりだ。
また、コラージュと称してもその手法は様々。ちぎったり、ハサミで切ったり、カッターで精密に切ったり切り取ったり、それを緻密に張り付けたり、感覚的や瞬発的に張りつけたりすることで、独自のあのどこかスッキリしない、モヤモヤさが残る「妙な凄み」や「変な存在感」「独特の違和感」が見出せる

また場内には彼の仕事部屋をそのままトランスポートさせたかのような一角も設置。参考書物や参考素材集、影響を受けたものやフェイバリットが書棚や棚に並び、その中には『AKIRA』を始めとした大友克洋作品や、バッドテイスト的に影響を多大に受けたであろう根本敬、クリムトの諸著作物を始め、仕事で愛用しているボンドやノリ、テープ類。また、意外なところではウォーホール、ゴヤやロダンといった近代~現代美術の巨匠たちの参考資料も並び、アヴァンギャルド一辺倒に思われがちな中、しっかりと美術の基礎や基礎知識を擁していることも知ることが出来、彼の頭の中がこれまで以上に伺えた。また、足元に敷いてあったラグまでもコラージュ作品であったのには驚いた。

加えて、映像にて彼の作業や手法、手順をこれまたカットアップ的にて紹介。インスピレーションを大切にしつつ、きちんと細かく精密にそれらを一つにしていく、意外性と精密さの同居が魅力のその作風の秘密も垣間見れた。

また同会場では、グッズや限定コラボレーションアイテム等も販売しており、彼の作品の一部を後々まで手に残しておける喜びも用意されている。

この展覧会は7月15日(月・祝)まで東京・池袋のパルコミュージアム(池袋PARCO本館7F)にて開催。その類まれなMIXED UPセンスの渦に、あなたも巻き込まれてはいかがだろう?

Text by LUCKAND編集部

【KOSUKE KAWAMURA -ARCHIVE-】
■日時:2019年6月28日(金)~7月15日(月・祝)
■場所:PARCO MUSEUM(池袋PARCO 本館7F)
東京都豊島区南池袋1-28-2
入場料
一般:500円 学生:400円 小学生以下無料
https://art.parco.jp/parcomuseum/detail/?id=230

 

【河村康輔(Kosuke Kawamura)】
コラージュアーティスト、グラフィックデザイナー、アートディレクター、グラフィックデザイナー。
1979年広島生。
works (selection)
2012年「大友克洋GENGA展」メインビジュアル、グッズデザイン
2012年 中原昌也「エーガ界に捧ぐ 完全版」 装丁、デザイン
2013年 田名網敬一作品集「glamour」アートディレクション、デザイン、作品コラボレーション
2012年 森山大道「white and vinegar」 展示用メインヴィジュアル(コラージュ) 2017年 大友克洋氏と共作で「INSIDE BABEL」(ブリューゲル「バベルの塔」展)制作。オランダ・ロッテルダムのボイマンス美術館に収蔵。
2017年?2019年まで不定期で更新される渋谷PARCOアートウォール企画「AD 2019」で大友克洋氏とAKIRAを 使用したコラージュ作品を発表。
2018年S/S adidas Originals and United Arrows & Sons collaborative collectionのグラフィックを担当。
2018年adidas Originals flagship store原宿三周年記念店舗デザイン。
2018年3月TAKAMURADAISUKE “OCCULT “GALLERY X 空間デザイン。
2018年 小室哲哉「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」渋谷駅貼り広告ヴィジュアル製作。
2018年 RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2018 相対性理論『NEO-FUTURE』渋谷駅貼り広告ヴィジュアル製作。
2019年「アディダス ブランドコアストア渋谷」B1F、1Fの店舗デザイン。
他多数 作品集に『2ND』『MIX-UP』『22Idols』(Winston Smithとの共著)『LIE』『1q7q LOVE & PEACE』(対談集)など。
*PARCO展覧会用資料より抜粋
http://www.studiozaide.com/Kosuke_kawamura/

RECOMMEND

記事はありませんでした