BURGER NUDS x 蓑輪朋和「（或いは）展」
■日時：2017年12月5日（火）〜2017年12月9日（土）
■アコースティックライブ：2017年12月10日（日）
■場所：LUCKAND-Gallery Cafe&Bar-

今夏、14年振りのオリジナル・フルアルバム『Act 2 或いは Act 3』をリリースした、孤高の3ピースロックバンドBURGER NUDS。そんな彼らのメモリアルイヤーを締めくくるべく、『Act 2 或いは Act 3』のジャケットやブックレット内掲載の数々のオブジェを創造した、金工作家・蓑輪朋和の作品展示とBURGER NUDSの活動にまつわる作品の数々を展示したエキシビジョンが昨年末に開催された。

『（或いは）展』と銘打たれた、このエキシビジョンは、今回の作品のブックレット同様、BURGER NUDSと蓑輪朋和が合同で行ったもの。これまで写真でしか見ることの出来なかった、蓑輪の作品の実物を感じることが出来たのと同時に、これまで見ることのできなかったBURGER NUDSの様々な側面も窺い知ることが出来た貴重な展示であった。

蓑輪の展示は、上述ジャケットやブックレットに掲載されていたオブジェを始め、その他、彼が作成した作品を選りすぐって飾られた。これらの作品は全て、蓑輪が在住している新潟より運び込まれた。

彼の作品は金属で出来ているとは思えないほどの曲線美や軽さ、そして生命力を帯びたものばかり。金属加工と聞くとイメージ的には、ひんやり冷たいものが連想されるが、彼の作品は、どこかほっこりとした温かさを擁したものばかり。いずれも生命力を多分に帯びており、見ていない隙に動き出したり、どこかへ逃げ出してしまうのではないかと思ってしまうほど、静物ながら躍動や動きを感じさせる作品性が印象的であった。

また、蓑輪本人も同会期中には、在住の新潟より会場へと足を運んでくれ、居合わせた熱心なファンに対して、丁寧に作品の説明や作り方等、質問に答える姿も印象深い。

対して、BURGER NUDS側は、これまであまり見せて来なかった面を特別に披露。丸山潤（Ba）が撮影した膨大な量の過去のBURGER NUDS関連のモノクロ写真作品は、時代毎の彼らの裏や表を写し出したもの。メンバーでないと収められなかったであろう、意外性も含めた、数々のドキュメントが写真に封じ込めてあり、眺める人たちを感心させていた。

加え、門田匡陽(Vo.&Gt.)は愛用の1970年製の彼の代名詞とも言えるギブソンのSG(日本に3台しかないらしい)を特別に展示。彼らのサウンドをずっと支え続けてきた名機は、使い込まれ具合も含め、渋く美しく輝いていた。
そして会期中のメンバー在廊時には、門田が現在、学んでいるというタロット占い等も行い、ファンを喜ばせた。

合わせて、この会期の最終日には、特別に昼夜の2回に分けて、BURGER NUDSとしては初のアコースティックライヴも行われた。アコースティックギター、エレキベース、シンプルでスモールなドラムキットと通常の伝達方法とは違ったメソッドで、彼らの代表曲や人気曲を中心に、幅広い年代のナンバーが温かいMCと共に贈られた。いつもの彼らのステージでの孤高性とは対照的に、親しみや身近、そして暖かみを多分に感じられることが出来た、貴重な体験であった。

TEXT&PHOTO：LUCKAND