2018.12.13

Raw Scaramanga

世武裕子



Art Direction & Design by Yusuke Tanaka(CAVIAR)
Photography by Takeshi Hanzawa
Production Design by Atsuyoshi Edahara

アルバムのアートワークを担当したのは、テイ・トウワやPerfume、サカナクションなど様々なMVや、パルコやKIRINなどの企業CMを手がける敏腕映像作家の田中裕介。同じく田中が手がけた「Vega」のMVの世界観をジャケットデザインやクロス2つ折りの歌詞カードに落とし込んだスペーシーなデザインとなっている。

リリースまでアルバム・タイトルとジャケット以外の一切が謎に包まれていた本作だったが、アーティスト名すら記載していない表1に、まず驚かされた。だがこのスペーシーなデザインを紙ジャケで見せるのは80’sの匂いを感じさせ、心憎いではないか。
角度をつけた白黒のコントラストデザインの盤面、オレンジのタイトルカラーもクールだ。枝広淳良によるプロジェクションデザインを背負った世武のシルエットは、どんな楽曲が繰り広げられるか実に想像力を駆り立てる。

顔を写すことなく、イメージのみというわけでもない。それはシンガーソングライターであり、劇伴作家であり、サウンドアレンジやライヴサポートなど多彩な顔で音楽に生きる世武らしいジャケットと言えよう。

 

 

映画『日日是好日』やNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』、その他有名作品の劇伴を多数手がける世武裕子が、シンガーソングライターとして約2年ぶりにアルバムをリリースした。
タイトルは世武が好きだと言う『007 黄金銃を持つ男』の悪役<スカラマンガ>から引用。だが事の発端は突如Instagramに登場した謎のアカウント「@r__scara」。(この経緯は是非インタビューで確認してもらいたい)

世界的ファースト・コール・ドラマーとしても名高いクリス・デイヴがドラムで参加した「Vega」、「John Doe(feat.Chris Dave)」や映画『生きてるだけで、愛。』の書き下ろしで御徒町凧との共作も話題となった「1/5000」。2019年公開映画『そらのレストラン』挿入歌となる「Bradford」など、「普通、これを1枚にするか!?」と言いたくなる程、全く音楽性の違う作品を収録。だがどれも良い!ただ単純ではない!そんなことを臆さず面白がれるのは、独自性と絶対的クオリティを持つ世武裕子ならではではないだろうか。

世武裕子「1/5000」

監督 : 関根光才
出演 : 趣里

映画『生きてるだけで、愛。』の監督、関根光才が主演の趣里と再びタッグを組んだ。 暗い廃墟や荒野の中、趣里が纏うドレスの青と赤い傘の色の際立ちは、映画でのビビッドな色彩と違うが印象的だ。撮影を担当したのは、THE YELLOW MONKEYやYUKIのMVを手がける映像作家・写真家の竹内スグル。泥にまみれたダンスシーンと灯火のような傘を差すラストシーンは、もうひとつの『生きてるだけで、愛。』かもしれない。

TEXT : 秋山雅美

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世武裕子

『Raw Scaramanga』

PCCA-4718
¥3,000(+tax)
【ポニーキャニオン】

2018年10月24日 発売

1.Vega
2.Do One Thing Everyday That Scares You
3.Gardien
4.Secrets
5.スカート
6.Bradford
7.John Doe(feat.Chris Dave)
8.Movie Palace
9.1/5000
10.The Death of Indifference

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