2018.07.13

THE ASHTRAY

Suchmos

Design : Art Direction&Design:Jota Sato(Steinski)
Photograph : Takayuki Okada

前作に引き続き、SteinskiのJota Satoがアートワークを手掛けた今作。ブックレットやゲートフィールド内で起用されている写真類は、エレカシの写真集を始め、海外のアーテイストも撮っている、そのモノクロ印画の写真も印象的な写真家・岡田貴之によるもの。モノトーンタッチの岡田の写真に対し、あえて各所でパステルな色使いをし、紙質も含め、それをけっしてパキッと発色良く仕上げないところに、Suchmosとの質感のリンクを感じた。

興味深かったのは、今回のゲートフィールド仕様の開いたアーティスト写真。そこにはハレーションを起こしたメンバーが写っているのだが、あえてメンバーとパートを入れている。そこからは、ここから更に広がる。その為の…的なメッセージのようにもとれた。

ちなみに、ブックレット表には手に持ったタバコがあるのだが、これはタイトルの『THE ASHTRAY』も踏まえ、「ベースの HSU が考えた言葉で、この作品も含めてSuchmosが 1 曲を書き上げるために、6 人集まっている時も、それぞれがどこかで曲と向き合っている時も、ひとつのものに魂を込めるために燃やしたタバコの灰の量たるや、という思いが込められています」とのことだ。

先行配信された「808」(Honda「VEZEL」のCM曲)、「VOLT-AGE」(2018 NHK サッカーテーマ)等を含んだ7曲入りミニアルバム。内、「VOLT-AGE」は、「世界のピッチで戦う日本代表の選手たちとSuchmosの世代が、今の時代を担っていく、そして更にその先へと繋いでいく世代であることや、この曲に込めた意気込みや熱い気持ちという意味を掛け合わせて、同タイトルにした」という。

より躍動的であり、オルタナな印象を受けた今作。前作が比較的近距離間での対峙感を有していたのに対し、今作は比較的、スタジアム感やスケール感といったダイナミズム、雄々しさや雄大さ、秘めた闘志や熱意といった、クールさの中のバイタリティを感じさせる。特にシンセの使い方と多弦ベースが故の変態性を交えた妙な躍動感は、これまで彼らを「おしゃれ」といった言葉で接してきた者たちにどう響くか?も楽しみにさせる。

彼らはけっしてオシャレやアーバン、シティポップなんかじゃない。実にオルタナなバンドだ。その辺りを非常に感じさせる1枚だ。

Suchmos「808」

Directed By Kento Yamada / Takayuki Okada

もし、ジャック・ケルアックが映像を撮っていたら、こんな作風だったのかも…と想起させた『THE ASHTRAY』のリード曲でもあり、先行配信曲だった「808」のMV。
Suchmosの盟友である映像クリエイター山田健人と、写真家・岡田貴之が初めてタッグを組んで撮影を敢行した同作品は、メンバー各人がアジア、欧州、アメリカ大陸等の土地や都市、その路上や路面に自身を佇ませたり、車を走らせたりさせたもの。メンバーの表情や心情はもちろん、乾きやねっとりとした各都市の湿度や湿気をまでも、伝えているかのように映る。多国籍風であり、時に粘着で時にドライなSuchmosの音楽性とベストマッチを見せていて興味深い。写真家ならではの感性や視点が伺い知れる、ロードムービー質な1本。

TEXT : LUCKAND編集部

Suchmos OFFICIAL SITE

https://www.suchmos.com/

NEW MINI ALBUM

『THE ASHTRAY』

【初回生産限定盤】 [CD+DVD]
KSCL 3060-3061
¥3,000(+tax)
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【通常盤】
KSCL 3062
¥2,000(+tax)
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2018年6月20日(水)RELEASE

[CD]
01. 808
02. VOLT-AGE
03. FRUITS
04. YOU’VE GOT THE WORLD
05. FUNNY GOLD
06. ONE DAY IN AVENUE
07. ENDROLL

[DVD] *初回生産限定盤のみ
01. A.G.I.T.
02. YMM
03. PINKVIBES
04. BURN
05. WIPER
06. STAY TUNE
07. MINT
08. DUMBO
09. GAGA
10. OVERSTAND

LIVE

“Suchmos THE LIVE YOKOHAMA”@神奈川 横浜アリーナ
11月24日(土)25日(日)

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