Art Director, Graphic Designer : 藤沢厚輔（NICE GUY）
photographer : 長弘進（D-CORD）

初めて『SOS! feat. Creepy Nuts』のジャケットを目にした時、思わず二度見してしままった。それまでのグラフィカルなアートワークとは違い、初めてメンバーがジャケットに顔出し、Creepy Nutsも巻き添えに（？）随分とご陽気な笑顔を振りまいている。フォントもそれまでのHelvetica BoldからポップなCooperに変更。本当に驚いた。だが悪くない！そんな驚嘆だらけのジャケットのアートディレクター・グラフィックディレクターを務めたのは、広告やCM制作を手掛ける藤沢厚輔（NICE GUY）。中面、色鮮やかなコラージュは藤沢の得意とするところだ。フォトグラファーはファッション雑誌をメインに活躍する長弘進（D-CORD）。Creepy Nutsを卒業写真撮影日に休んだ人のように配置したバックインレイ、 あえてチープさを演出している切り貼りのような歌詞カード、どれも新たなandropを見せてくれた。更に今回のジャケットは、MVと完全に連結している点も忘れてはならない。

andropの変化の根幹に関わるのは、彼らが昨年自身で事務所を立ち上げたことではないだろうか。イメージの保守は近視眼的になりやすいが、ぶち壊すのが容易でないことも確かだ。しかしCreepy Nutsをフィーチャリングに迎えた今作、andropは全てにおいて賛否両論を真っ向から受ける覚悟があったのだろう。いや、はなから目一杯馬鹿なことを楽しむ目論見だったのかもしれない。 andropから見た夏とCreepy Nutsから見た夏。物事は捉え方次第という普遍的テーマを、夏や音（サウンド（S）オブ（O）サマー（S)など）を感じさせるタイトルとリリックに集約。「ツァラトゥストラはかく語りき」（「2001年宇宙」旅のテーマ曲）のサンプリング、R-指定のヴァース、DJ 松永のトラックで、コラボレーションの醍醐味を見せつけながら、新たなandrop、新たなサマーチューンを生み出した。

SOS! feat. Creepy Nuts

Director : ショウダユキヒロ

「みんなで考えて明日撮りにいく。」
『Voiceや『Missing』のMVも手がけたショウダユキヒロの無謀な挑戦は、撮影日に大雨を降らせるミラクルを起こした。 テーマは「童貞感」。スイカ割りにダンス、ビーチフラッグ。「こいつら馬鹿だな」と笑ってしまうのに何故か胸が熱くなる。 今回、iPhoneでの撮影が彼らの自然な表情を捉えている。なお初回限定盤のDVDにはMV撮影風景も収録されているので必見！

来年1月10日には、岡田将生と木村文乃 W主演映画『伊藤くん A to E』（1月12日公開） 主題歌『Joker』のリリースも決定している。

TEXT：秋山 昌未